首位奪還の追い風か、消耗戦の前兆か……キリンビールが「第3のビール」新製品投入

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 同分野は細かく言うと、麦芽を使った「リキュール系」と、大豆タンパクなどを利用した「その他の醸造酒」がある。「のどごし」は後者に属するのだが、ここへきて、よりビールに味わいが近い、とされる麦を使った商品が徐々に勢力を増しているのだ。なかでも、アサヒの「クリアアサヒ」の1~3月の販売数量は、372万ケースと前年同期比4倍強に膨張するなど好調。今年に入ってサッポロビールやサントリーも新製品を出しており、キリンも「リキュール系」を強化することで需要の“取りこぼし”を抑えたい、というところだろう。

キリンの新製品投入は、「第3のビール」分野の競争を一段と激烈にする事は間違いない。これまでビールや発泡酒で繰り返されてきた消耗戦が、第3でも本格化するキッカケにもなりそうだ。同社は「コクの時間」発売による「のどごし」への影響は限定的として、今年度の「のどごし」の販売量目標は据え置いている。ただ、すでにビール、発泡酒、第3と「ビール」が増え続け、その中でも新商品が現れては、消えていく中、「コクの時間」がどれだけ強い存在感を放てるのかは未知数だ。

キリンの年間トップシェア奪還の下支えとなるか、新たな消耗戦の“引き金”となるか。今後の第3分野の競争を占ううえでもおもしろい商品となる。

「のどごし」や「一番搾り」の販売量は、1~3月期会社側想定をやや上回ったもようで、4月以降も順調に推移しているようだ。「東洋経済オンライン」はキリンホールディングスの09年1~3月期の発表及び取材後に改めて今2009年12月期予想数字を見直すこととする。

(倉沢 美左)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2008.12  2,303,569 145,977 103,065 80,182
連本2009.12予 2,300,000 121,000 125,000 57,000
連本2010.12予 2,430,000 129,000 133,000 61,000
連中2008.06  1,047,817 47,565 47,643 81,120
連中2009.06予 1,070,000 36,000 38,000 10,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2008.12  84.0 23 
連本2009.12予 59.7 23 
連本2010.12予 63.9 23 
連中2008.06  85.0 11.5 
連中2009.06予 10.5 11.5 

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