首位奪還の追い風か、消耗戦の前兆か……キリンビールが「第3のビール」新製品投入

首位奪還の追い風か、消耗戦の前兆か……キリンビールが「第3のビール」新製品投入

悲願の年間首位奪還の追い風となるか--。

キリンホールディングス傘下のキリンビールは、6月24日に「第3のビール」の新製品「コクの時間」を発売する。景気低迷下、低価格の第3のビール市場は急拡大中。これに伴い、消費者の味覚ニーズも多様化している、として、同じ第3の「のどごし<生>」とは違った味わいの製品を投入することで、すそ野拡大を狙う。

新製品の価格は、既存の第3と同水準の140円程度を想定。「のどごし」がキレのあるすっきり感を打ち出しているのに対して、「コクの時間」は原材料に麦を使っており、しっかりとしたコクや芳醇な香りが特徴。年内400万ケースの販売を目指す。
 
 節約志向が進む中、急成長が続く第3は今やビール各社の“主戦場”となっている。同分野はキリンが他社を圧倒。その原動力となっているのが「のどごし」だ。ビール大手5社がまとめた1~3月のビール飲料系の出荷量では、「のどごし」は前年同期比16.2%拡大。同分野におけるキリンのシェアは37.9%と、2位のアサヒビール(21.6%)を大きく引き離している。すでに同社の主要ブランド随一の販売量となった「のどごし」は、キリンの先行きを左右する存在になった、といっても過言ではないのだ。

一方で、3月にリニューアルしたビールの「一番搾り」が好調に推移しており、第3にお株を奪われつつある発泡酒でも「淡麗シリーズ」が踏ん張っていることなどもあって、1~3月ビール系飲料におけるキリンのシェアは37.7%と、四半期ベースで2年ぶりにトップを奪取した。新年度に入って幸先のいい出だしとなったわけで、最盛期に向け「コクの時間」を投入して、勢いのある第3にさらに拍車をかけ、通年でもシェアトップに返り咲きたい、という思惑だ。

ただ、第3で独走するキリンがここへきて新製品を投入するのには、もうひとつ理由がある。

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