「貨物新幹線」は本当に津軽海峡を走るのか

青函トンネル貨物輸送のあるべき姿とは?

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JR北海道が製作したTOTのモックアップ。車両の中にコンテナ車が台車ごと収まっているのが確認できる

新たな貨物新幹線構想を後押しするかのような動きも出てきた。貨物新幹線を検討事項の1つに含む「交通政策審議会」のワーキンググループ(WG)が、1月18日に開かれたのだ。前回が2013年3月25日なので、ほぼ3年ぶりの開催となる。

報道から間もないタイミングで開かれたということは、コンテナ新幹線が本命なのか――。そんな噂もささやかれる中、国交省、鉄道運輸機構、JR3社などの幹部、学識経験者らが出席し、WGは16時に始まった。

そもそも、このWGは「青函共用走行問題」を検討する場として設けられた。青函トンネルとその前後の区間82キロメートルは、新幹線と在来線の貨物列車の両方が走行する。新幹線と在来線では線路幅が異なるため、在来線の線路の片側にもう1本線路を足す「3線軌条」を取り入れ、軌間の異なる列車が同じ線路上を走行できるようにしている。

ただ、時速260キロメートルで走る新幹線と、在来線の貨物列車がすれ違ったとき、新幹線の風圧が貨物列車にどんな影響を与えるかは未知数。すれ違う際の風圧でコンテナが荷崩れする、などの懸念も指摘されている。新幹線と貨物列車で両立できる方法を探るため、WGが設置され、数年前から議論が重ねられてきた。

新幹線開業時は在来線並みに減速

貨物新幹線だけでなく、これまでいくつもの案が俎上に載せられてきた。新幹線と貨物列車の走行時間を明確に分ける、すれ違い時に新幹線が在来線並みのスピードまで減速する、青函トンネルに隔壁を作って上下線を区別する、さらには第2青函トンネルを作るといった大がかりな案まであった。

結局、今年3月26日の新幹線開業時に採用されたのは、新幹線は共用区間で高速走行を行わず、在来線特急並みの時速140キロメートルまで減速走行するという、最も無難な案だった。これなら在来線と変わらないので、ほかの案より安全面の心配は少ないとみられる。

だが、その代償は大きい。新幹線の減速走行により、東京―新函館北斗間は所要時間が4時間を超える事態となってしまった。これでは、せっかくの新幹線が宝の持ち腐れになってしまう。

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