複写機各社が攻め込む7兆円印刷市場、キヤノン、リコー、ゼロックス…大手が激突!

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 高級機種は印刷業者など機械をフル稼働させる顧客が使用するが、低価格機種は「期末の財務諸表や契約書の印刷など、瞬間風速的に出力が多くなるとき用に一般企業が買うのが主な用途」(コニカミノルタ)。

それでも、コニカミノルタが低価格機種でシェアを伸ばしたため、各社はこの動きに追随。リコーが昨夏に投入した機械もこの分野であり、もともと大量出力機に強かったゼロックスグループも、昨秋やはり低価格機種の市場に参入した。

当然、懸念する声は上がっている。「安い機械をたくさん出せば、表面上の事業売り上げは確かに伸びる。だが、それが中長期的な収益にどれだけ貢献してくるか。このクラスの機械ばかりが売れてしまうと、各社の収益はガタガタになるのでは」(大手事務機メーカー幹部)。

まして、文字や画像が読めればOKだった旧来のオフィス用事務機と異なり、ごくわずかの品質差が勝負を決するプロの印刷業者にターゲットを広げるのならば、画質などの課題をクリアし、高級機種で勝負することが不可欠。「将来的に中高級機の開発も進めていきたい」(前出の児玉氏)など、各社も上位機種進出に照準を合わせている。

1959年に米ハロイド社(現米ゼロックス)が世界最初の複写機を製品化してちょうど半世紀。転換期に差しかかった事務機業界各社は、勃興するデジタル商業印刷機という新市場で、ふるいにかけられようとしている。


キヤノン
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日足

リコー
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日足

コニカミノルタ
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日足


(桑原幸作 撮影:引地信彦 =週刊東洋経済)

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