バズフィードが沖縄にも記者を配置するワケ 「難しい問題にも正面から取り組んでいく」

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――当然のことですが、バズフィードは日本での知名度が高くはありません。知名度を高めるために考えていることはありますか。

古田:全国的に読まれることは重要だと思っています。そのために、二つほど考えていることがあります。一つは、読者自身のバックグラウンドを楽しんでもらえるコンテンツを作っていければ、と。僕は福岡出身ですが、たとえば『福岡県人だけが分かる15のこと』という記事は、その県に住んでいる人や出身者にすごく読まれると思います。

もう一つは、できるだけ早い段階で、沖縄など地方にもバズフィードの記者を駐在させたい。沖縄には世界中の多くの人が関心を持つ話題があるにもかかわらず、実は沖縄発のニュースは日本国内ですらあまり読まれていません。

沖縄に住んでいる方に記者としてバズフィードに参加していただき、多くの人に読まれるような記事を書いてもらえれば、と思っています。そうすれば今の沖縄の状況を変えることもできるかもしれない。これは朝日新聞の記者だった時からずっと思っていたことです。

――沖縄以外の場所にも記者を置くのでしょうか。

古田:今のところ沖縄以外の地域について具体的なことは考えていませんが、必要な場所にはきちんと記者が駐在するのが理想だと思っています。

難しい問題から逃げたくはない

――基地問題を抱える沖縄に関する記事は、政治のど真ん中。本質を扱えば扱うほど、不偏不党というわけにはいかなくなります。初日に配信をした原発についての記事も、利害が分かれるテーマです。困難さを伴うテーマに積極的に取り組む理由は?

古田:あらゆるトピックに関して、政治的な捉え方をされる可能性、中立性を疑われる恐れはあると思います。確かに、原発や沖縄の基地問題はそうした受け取られ方をしやすいのだと思います。

だからといって、そこを避けるようなことはしません。「公平に書かれており中立性が保たれている」と認識してもらえれば、多くの読者に興味をもって読んでもらえると思っています。初日の福島第一原発の記事も大きな反響がありました。

――あらかじめいくつかのタイトルを作り、配信直後の反応をみて記事タイトルを絞り込む「ABテスト」を行っていると思います。そうすると結果的にタイトルが似た記事ばかりになったり、読者をあおるようなタイトルが増えるのではないですか。

古田:そもそも候補となるタイトルに「あおりタイトル」や(内容と異なる)「釣りタイトル」、嘘が含まれたタイトルをつけるつもりはありません。そのため、ABテストによっておかしなタイトルが増えるということはないと考えています。

より魅力的なタイトルをつけることでクリックしてもらうことは大切です。そしてクリックした先にはタイトルよりも魅力的な中身がある・・・・そんな記事を作っていくこと考えています。

――SMAP解散のような大きな話題があると、編集者・記者はどうしてもそれを追い掛けたくなると思います。独自の内容がない感想文を書いてくるかもしれない。その場合、公開見送りの判断をしますか。

古田:中身を見て、これは出すべきでないと思えば、公開しません。

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