住友軽金属工業は社長に山内取締役専務執行役員が昇格へ
住友軽金属工業は、山内重徳取締役専務執行役員(60歳)が社長に昇格、桝田和彦社長(66歳)が代表権のある会長に就任する人事を行う。6月末の株主総会後の取締役会で正式決定する。山内氏は、入社後は長らく研究開発部門に席をおき、その後は主力製造拠点の生産技術部長を経験している。桝田社長はこうした経歴から、「当社の技術者としては珍しくオールラウンドプレーヤーで、現場の統率力に長けている」と登用の理由を説明する。
社長交代の会見で桝田社長は、「5年前の就任以来、社長のミッションは後継者を育成し、選ぶことだと考えていた。候補者として山内さんを選び、今年の交代を前提に昨年の役員人事で代表権を持つナンバー2に登用した。だが、昨年後半から世の中が変わり、2009年3月期は過去最大の赤字となる事態に陥った。私がトップを続けて業績回復の指揮をとり、その後に山内さんに社長になってもらう、という選択もある。ただ、それでは私が老害をまき散らすことになるかもしれないし、山内さんが年を取ってしまう。やはり、ここは新しい人に変わってもらい、経営計画の見直しと実行をやってもらおう、と決断した」と交代までの経緯を語った。
また、「一刻も早く新しい体制で、となれば4月に社長交代する方法もあった。しかし、まだ過去最大赤字の09年3月期決算をまとめて、株主の皆様にご説明する作業が残っている。これは私がやらねばならないことであり、そのための6月末の正式交代、ということ。ただ実質的には4月から山内さんに指揮をとってもらう」と新年度からの新体制移行を明言した。
山内氏は「足元はトンネルの中。この先、トンネルを抜けても以前ほどの販売量、生産量に戻ることはないのではないか。操業率が70%でも利益が出る体質にする」と新社長としての決意を述べた。
住友軽金属工業は、自動車や家電、建築向けのアルミ製品需要の急落と株評価損などで、前09年3月期は最終赤字55億円(前期は54億円の黒字)の見込み。今10年3月期も需要回復が遅く、最終赤字が続くと「東洋経済オンライン」は見ている。
(鶴見 昌憲)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.03 327,591 18,041 13,293 5,394
連本2009.03予 280,000 2,500 -4,000 -5,500
連本2010.03予 290,000 4,000 -1,000 -2,000
連中2008.09 157,807 4,154 1,573 6
連中2009.09予 145,000 2,500 0 -500
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.03 14.7 3
連本2009.03予 -15.0 0-3
連本2010.03予 -5.4 0-3
連中2008.09 0.0 0
連中2009.09予 -1.3 0
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