残念ながら株式市場は手を付けられない状態 一部の投資家は中小型株に活路を見出す動き

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アメリカの不安は、アメリカ株が本格反発したら一発で解決する。景気刺激策や流動性を供給しなければデフレに落ち込むリスクのある世界経済の中で唯一、利上げが出来るのが強いアメリカ株だ。そのアメリカ株は、日本同様騰落レシオが買いゾーンと言われる70%前後に落ち込んでいる。
しかし残念ながら、悪材料それぞれの事象がすぐに改善する見通しは立たず、悪材料への評価が変わるタイミングも見えない。

投資家はファイティングポーズさえ取れないでいる。ただ、一部の投資家はそれらリスクを避けるように、国内系の中小型株に活路を見出そうとしている。追証の合わせ切りで、主力株と一緒に売られるそれらの中小型株をしっかり拾っているむきも少なくないようだ。前回の本欄で紹介した、筆者がアナリストとしてカバーしている銘柄の一部、エイジア(2352・東マ)、JPHD(2749)、Eストアー(4304・JQ)、メディシノバ(4875・JQ)、日本精密(7771・JQ)などの動きを見ていても、その兆候が表れている。

相場は死んでいないと感じた瞬間

連続反発すれば、事象の明確な改善になると期待した先週末のNYダウだが、逆に390ドル安と大幅安で1万6000ドルを割れた。上海総合指数も3000ポイントを割れた後、下げ足を速めている。ドルは116円台をつけ、原油は30ドルを割れた。手の付けられない状態で明日月曜日を迎える。

そんな中、昨日土曜日に某証券会社の支店が主催する筆者の講演会が開かれた。こんなタイミングに来てくれるか心配だったが、過去最高の入場者数を記録した。投資家が血走った目で来場したかと言うと、そうでもない。支店の担当者に聞くと、意外にこの下げをうまくさばいているという。確かに、筆者の周りを見ても、今まで強気で対応していたファンド筋は、問答無用のヘッジ売りに忙しいが、個別株対応の個人投資家のダメージはそれほど大きくない。

今回の講演会の来場目的は、ここで買う銘柄を聞きに来たとのことだ。そう言えば、講演会前半の、原油や為替や世界経済の解説の時には強い視線を感じなかったが、後半の銘柄紹介になると目の色が変わったような気がした。相場は死んでいないと逆にこちらが勉強になった。

今週(18日~22日)の日経平均予想レンジは1万6500円~1万7500円。正直なところ、1万6500円は付けてほしくない。そこは一昨年11月初めに空けた週足のマド埋めとなり、テクニカル上、それ以降の相場の1ラウンド終了を意味するからだ。 

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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