旅行業界で働く人々のホンネ--見るとやるでは大違い、なかなかツライ裏事情《特集・日本人の旅》


●中堅旅行代理店支店係長(40代)

場所柄、企業の業務出張や社員旅行なども扱うが、昨年10月以降、激しく落ち込んでます。取扱件数で半分以下ですね。

仕事は営業も企画も添乗も何でもしますが、10月以降は添乗を外注せず、受注してきた本人が添乗までこなすようになった。外へ出すのと比べ費用が半分以下で済むからね。社員なら日当で国内1000円、海外だと3000~4000円程度だから。私もこの間、シンガポールに40人の社員旅行の添乗をしてきました。夜中2時に「フトン替えて」と電話が入ったり、24時間仕事。世界中飛び回れて華やかな職場というイメージがまだあるけど、普段の仕事は、カウンターで何時間も粘るお客の相手をし、計画を詰めてチケット発券して渡すという地味な作業が大半。夢と現実のギャップに耐えられず、3日で辞めた新人も以前はいたけど、今はこの不景気。みんな辞められず黙々と仕事してますよ。

●大手旅行会社2年目社員(20代)

うちは会員組織が強いし、シニア層が多いので、それほどガクッと落ちてはいませんね。僕の場合、月の半分が内勤、6~7日が添乗、8~9日が休みという感じ。休みは自分でスケジュールに合わせられます。

自分で企画して添乗もすることで、「あっちのツアーのほうが安かったよ」とか「向こうのは高かったけどプラスαがあった」「次はココへ行きたい」とか、直接お客さんの声を次の企画に反映できる。別のツアーでたまたまバッタリ顔を合わせたとき「あら○×さん! 」と声かけてもらったり、お得意さんが増えていくとやりがいが出ます。ファンクラブができるくらいの先輩もいて、いい目標になります。

もともと旅が好きで、給料はそれほど高くないことも知ってて入ったから、会社に特に不満はない。ただ女性は体力的にキツイかもしれないですね。気も張るし。添乗員という仕事って、旅は好きだけど人とかかわるのが苦手な人より、旅はそんなに好きじゃなくても人間が好きな人のほうが向いてるんじゃないかな。

最近、「若者の旅離れ」が言われるけど、必ずしもそうじゃなくて、単に旅の目的が違っているだけなんじゃないかと思う。40~50代より上だと「○×温泉の▲旅館に泊まりたい」というのが目的になるけど、僕たちの場合はむしろ友達とワイワイやりたいのが目的になる。安く上げたいのもあるけど、旅館に泊まるより、クルマで近場のコテージ借り切って盛り上がるほうが楽しい。

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