初の国産旅客機「YS-11」は、どう生まれたか 日本のものづくりは戦前からつながっている
――「MRJ」はまさに新時代の飛行機といえる存在ですね。
特に、戦後日本が培っていたものづくりのノウハウが反映されているのは非常に大きなポイントです。初飛行を行う前から、アメリカの会社から300機以上の注文があったり、海外から「日本製の飛行機なら信頼できるからぜひ乗ってみたい」という声を聞くことが多くあります。
このような期待の声に答えるためにも、なんとしても「MRJ」を成功させ、今後につなげていく必要があるだろうと考えています。
「落ちない飛行機」の研究
――なるほど。「MRJ」の成功だけでなく、今後の飛行機産業を考えていく必要があるのですね。鈴木先生は「落ちない飛行機」の研究に取り組まれていますが、これも将来の飛行機産業につながるものなのでしょうか?
「落ちない飛行機」については、飛行機をより安全で安心して乗れるようにしたいという思いで研究をすすめています。
というのも、今後、飛行機の利用が急速に増えると、安全とは言え、墜落の件数が増すことが懸念されているからです。飛行機の技術は非常に高度なものなので、研究を行ってもすぐに反映されるわけではないのですが、将来の国産機に生かされればと思っています。
――最後に日本の飛行機産業は今後どうなっていくとお考えでしょうか。
個人的な見解にはなりますが、今日本の一大産業である自動車産業だけでは、将来の日本を支えていくことは難しいと考えています。そういったなかで、飛行機は一つの大きな目標になるのではないかと。「MRJ」が成功すれば、飛行機産業をより発展させていくことは不可能でないと思いますし。何よりその責務があるのでないかと。
「MADE IN JAPAN」の飛行機が今後世界においても活躍できるよう、われわれも研究を続けていきたいと思っています。
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