台湾総統選、民進党の勝利は確実な情勢に 立法院選挙でも民進党が過半数獲得か

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立法院選挙でも、民進党の躍進が予想されている。

立法院の定数は113で、民進党は現在40議席、国民党が過半数の65議席を得ている。ところが世論調査を基にした議席予測では、民進党が最高70議席、最低でも55〜60議席を獲得しそうな勢いだ。

国民党はすでに現状の65議席維持をあきらめた状態であり、ぎりぎり過半数の議席獲得を目指している。それでも、最高で50議席程度と過半数割れに落ち込むような情勢。もし蔡英文候補が総統選を制すると、民進党の安定政権出現となりそうだ。

「第3勢力」はどこまで伸びるか

「時代力量」から台北市5区に立候補したフレディ・リム(林昶佐)は人気メタルバンドで活躍するミュージシャンだ(写真: REUTERS/Pichi Chuang)

大勢が決まっているかのような今回の選挙での注目点は、もうひとつある。「第3勢力」と呼ばれる政党がどこまで躍進するかだ。代表格が「時代力量」と、今回の選挙では連盟を組んで選挙戦を進めてきた台湾緑党、社会民主党などだ。

なかでも「時代力量」は、2014年3月に発生した学生を中心とする若者の政治運動「ひまわり学運」をきっかけに2015年1月に設立されたばかり。小選挙区・比例代表に計18人が立候補しており、特に若い層から強い支持を得ていることで3〜5議席を獲得しそうな勢い。国政に対し、それなりの影響力を持つことになりそうだ。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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