ティップネス、あえて24時間ジム出す危機感 24時間ジム旋風で変わるフィットネス業界②
自社の24時間ジムで大都市の地盤守る
ーー総合型フィットネスクラブ大手のティップネスがなぜ、競合する24時間ジム業態に参入したのですか。
理由は大きく2つある。まず、マシンに特化したセルフ型24時間ジムは事業として非常に収益性が高く、そのビジネスモデル自体に魅力を感じた。初期投資やランニングコストが軽いうえ、これまで経済的、時間的な制約から総合型には来ていなかった若い人たち、ビジネスマンを取り込める。だいたい4年以内で初期投資が全額回収でき、投資効率も非常に高い。
もう1つの理由は危機感だ。当社が運営する総合フィットネスクラブ「ティップネス」(61店舗)は、東京を始めとする大都市が地盤だが、24時間ジムもそうした人口の多いエリアから急増し始めた。手をこまぬいていては地盤が侵食されてしまう。防衛策として自分たちでもこの業態をやるべきだと判断した。
ーー社内に反対意見もあったのでは?
あったどころか、最初に企画書を出したときにはみんな大反対で、役員会でも却下された。ティップネス店舗への悪影響をおそれたのと、24時間ジムに対する一種の嫌悪感みたいなものが社内にあった。ティップネスは専門スタッフによるトレーニング指導を非常に大事にしてきた会社。「マシンだけ置いて、しかも営業時間の3分の2が無人営業のジムなんて、フィットネスクラブと言えるのか?」と。
それでも「やりましょう」「やりましょう」と1年半しつこく言い続けたら、マネジメント層が根負けして、「テストマーケティングとして最大3店まで」という条件付きでOKが出た。その1号店が2014年に開業した豊島区の要町店。開業前に損益分岐点を超えるすごい数の会員が集まり、それで一気に風向きが変わった。
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