スピード違反がなくなる装置?「ISA」が義務化へ

欧州では2022年から。日本への導入はいつ?

eCallの義務化により、GPS等の衛星測位システムを車両に完備することになり、自車位置測定の概算が可能に。日本と比べて車載カーナビ装着率が低いヨーロッパで、デジタル地図情報との照合がしやすくなった。

一方、日本ではスバル「アイサイト」「トヨタ・セーフティセンス」「ホンダセンシング」、日産「プロパイロット」など、新型車には軽自動車から高級車まで高度運転支援システムの標準装備化が進んでいることに加えて、そもそも車載カーナビの搭載率が欧米に比べて高い。

日産「デイズ」は2018年のフルモデルチェンジでプロパイロットを搭載(写真:日産自動車)

さらに、自動運転技術に対する国のプロジェクトとして、産学官連携による高度な三次元地図ダイナミックマップなどデジタル地図情報の整備が近年、一気に進んでいる。こうした状況を踏まえると、日本でのISA義務化のハードルは比較的低いといえるだろう。

ただし、直近では、国土交通省自動車局技術・環境政策局が2020年7月7日、第6期先進安全自動車(ASV)推進計画の中で、2019年12月に同省が公開したISAのガイドラインについて改めて触れているが、「今後のさらなる協議が必要」として具体的な実施計画は明記されていない。

また、日本のNCAPであるJNCAPでの評価検討会の議事録では、Euro NCAPにおける新規の評価項目を意識した発言が見られ、そうした状況を踏まえてコンチネンタル関係者はオンラインセミナーの中で「ISAに関してEuro NCAPの日本への影響は大きいと考えている」と今後の流れを予測している。

日本での義務化は2020年代後半か?

日本では今、自動運転レベル2の高度化が進み、一部でレベル3の実用化に踏み出すメーカーも出てきたが、各方面に取材していると「レベル3の普及は2030年代に入ってから」という意見が業界内の主流という印象がある。

レベル3では法定速度順守が基本となることから、ISAについても2030年代を見据えて、2020年代半ばまでには新型車への義務化が始まるとの予想が成り立つ。

スピード違反と“あおり運転”が日本からなくなるのは、もう少し先になるのかもしれないが、その日が確実に近づいていることは間違いない。

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