仕事をラクラクこなす人の脳は老化が進む驚愕 30代からの脳の老化を食い止める2つの方法

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「老い知らず」の脳をつくる2つの方法をお伝えします(写真:metamorworks/PIXTA)
30代後半も過ぎると、人の脳の老化はどんどん進んでいきます。「最近、あまり頭をつかっていない」「楽なルーティーンワークに終始している」。そんな人は「脳の老化が進み、感覚や感性も衰えていくでしょう」と、脳内科医の加藤俊徳氏は警鐘を鳴らします。
では、どうすれば脳の老化を食い止めることができるのか。加藤氏は、意外な経験が老化を防ぐカギを握ると言います。それは一体……? 加藤氏の新刊『センスは脳で磨かれる』をもとに解説します。

仕事が早い! は実は危険

20代から30代になり、仕事の全貌をほぼつかんだ頃、仕事が楽に回せるようになったなと思う瞬間はきませんでしたか? 営業にしても企画にしても、事務処理にしても、若い頃あれだけつまずき、試行錯誤して時間がかかっていた仕事が、ウソのように簡単に処理できてしまう。半分の時間もかからずにこなせてしまう。脳が仕事の仕方を学習し回路ができ上がったことで、ムダな労力をかけずに処理することができるようになった証しです。

それ自体は、大変望ましいことです。ところが楽になったことにかまけて、自分の仕事をそれだけに限定し、9時~5時で要領よく仕事をこなすだけになってしまう人が結構いるのです。

「仕事が楽になった瞬間こそ危ない」と、私はよく話をしています。

脳は、放っておけばエネルギーを使わない楽なほうを選ぶものです。すると楽にこなせる状況に甘んじて、新しい挑戦をしようとせず、仕事をルーティーン化するようになります。守りに入った脳は、新たな分野に挑戦したり、未知の領域に足を踏み入れようとする冒険心を起こしません。

でき上がった脳の回路で処理できる仕事だけに限定し、楽に仕事を処理できるほうを選択します。すると脳はどんどん衰え、退化していきます。そうなると、ますます仕事に対する意欲や、積極性が失われていき、さらに脳の老化が進んでいくのです。

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