堀江貴文「僕がロケット開発に熱中する理由」 ロケットが今後の日本経済を牽引する

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堀江貴文氏が目指すものとは?(写真提供:SBクリエイティブ)
スペースXや、ジェフ・ベゾスのブルー・オリジンなど、世界の起業家が宇宙開発に名乗りをあげている。そんななか、日本でロケット開発に挑むのは堀江貴文氏がファウンダーとなるインターステラテクノロジズだ。なぜ、堀江氏は宇宙を目指すのか。そこには、EVで変革を余儀なくされる自動車産業にも関わる大きな目的があった。
堀江氏の新著『ゼロからはじめる力 空想を現実化する僕らの方法』より抜粋して紹介する。

僕が宇宙開発やロケットに関わっていることを知らない人もいると思うので、まずは、僕らの会社とその事業の話からしておこう。

僕がファウンダーである宇宙開発ベンチャーのインターステラテクノロジズ(IST)の本社は、北海道広尾郡大樹町にある。十勝平野の中核都市である帯広市から南に約50㎞の、酪農と漁業の町だ。町の中心部からさらにクルマで10分ほどの国道336号線の十字路に面した、元は農協のマーケットだった建物が、2020年現在の本社社屋兼工場である。

このほかに千葉県浦安市に東京工場も持っていて、今のところ2事業所体制で仕事を回している。

ロケットの打ち上げは、本社から8㎞ほど離れた大樹町字浜大樹の海岸に建設したロケット射場(射点設備)で行っている。この場所は町有地で、かつては防衛省がジェットエンジンの運転試験をしていた。海岸に面していて防衛省の手でぶ厚くコンクリート舗装済み、しかもほかに誰も使っていないという打ち上げに絶好の場所を大樹町から借りて、ロケットを打ち上げているわけだ。

世界を見れば、イーロン・マスクのスペースX社(アメリカ)や、アマゾンのジェフ・ベゾスによるブルー・オリジン社(アメリカ)など、宇宙開発ベンチャーが続々と出てきている。

スペースXなどは、すでに大がかりな衛星の打ち上げを成功させているが、宇宙開発の市場はこれからであり、日本は必ず、宇宙産業の中でも世界のトップをとることができると思っている。

あらかじめ言っておくが、実は、日本は地理的に見て、世界で最もロケットの打ち上げに適した場所なのだ。なかでもISTが本拠地とする北海道大樹町は、世界的に見てもロケットに最高に向いている町なのである。

インターステラテクノロジズで僕らが目指すこと

今、宇宙にモノを届けるとしたら、いくらかかるのか。ロケット1回の打ち上げ価格とか、1㎏当たりの打ち上げコストとか、指標はいくつもあるのだが、ここではざっくりと1回の打ち上げ、つまり1つの契約、1つのビジネスにいくらかかるかで考えてみよう。

それは利用者から見ると、事業者として1度にどれだけの額の決済をする必要があるか、ということである。

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