事前に調べたルートはこうだ。
途中乗り継ぎのバス停である牧戸が「駅」となっているのは、国鉄・名金急行バス時代に自動車駅だった名残だという。ネット上の時刻表を見ると土日祝に1本だけ13:59発のバスが牧戸駅まで行き、高山駅方面へ向かう濃飛バスと接続していることがわかった(2015年12月現在)。
バス停で立ち尽くす私の目の前にあったのは、この注意書きだった。
「※白鳥荘川線は4月1日から11月30日の季節運行になります。」
しまった!完全に見落としていた。この日は12月12日、牧戸駅へは到達できない。
除雪をしない道の冬期運休はもちろんのこと、地域の利用者の状況に応じて土日運休・学休日運休(主な乗客である学生が乗ることのない休校日は運休)が設定されていることがある。またバス乗車の事前に電話予約が必要なデマンド方式の場合もあり、把握していないと、今回のように立ち尽くしてしまうことになるので注意が必要だ。
意外な場所が乗り継ぎ拠点に
だが、意外なところにショートカット・ハブが出現していた。「白川郷合掌造り集落」が世界遺産に指定され、多くのバスが白川郷を訪れるようになった。
実はこの山あいの小さな村・白川郷をハブとして、金沢・富山・名古屋・高山などあらゆる都市と直通が容易になっていたのだ。富山県側は加越能バスが運行する「世界遺産バス」によってアクセスがとてもよくなった。
2014年8月に城端駅側から白川郷バス停を経由して高山に抜けるショートカットを試して実現できたので、JTB時刻表の地図にも表記されている【3】(北濃駅→城端駅)のルートも行けるかも!と思い検証してみた。
ルート自体はこのように存在するものの、どうしても1日では現実的に到達できないようだった。残念。しかし、調べを進めていくうちに長良川鉄道を少し南に戻った郡上八幡駅からのアクセスがいいことに気がつく。敢えて書くならこうだ。
岐阜からやって来る白川郷行きのバスに途中から乗車するような形になるが、この1日1本が絶対に逃せない貴重なバスということになる(2015年12月現在)。
というわけで、北濃駅から「いけるかも?!」なショートカット・ルートを検証してみたが、どれも冬の時期は「×」。実現が難しいことがわかった。その代わり、地域の交通を調べることによって人の流れを知り、新たなルートを発見することができた。
今回は、このままでは悔しかったので帰り道に長良川鉄道・関駅で下車し、関駅→岐阜駅間を結ぶ旧・名鉄美濃町線の廃線跡を辿るバス・ショートカットを実践して帰路についた。
あたたかい鉄道に揺られるのも楽しい冬の旅だが、駅に辿りつける喜びが何倍にも膨らむショートカット・ルートを見つけて、あなただけの旅の行程を作ってみてはいかがだろうか。
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