「繰延税金資産」のルール変更、企業に甘く?

安易に回収可能性が高くなる恐れも

 これを見ると、現行の実務指針では、2号から3号になると、計上できる期間が最大5年以内に限られるので、金額がガクッと減る。さらに3号から4号になると、最大1年以内に縮小するため、金額はさらに減る。また、4号のただし書きで「リストラ目的」ならば、1年でなく5年に拡がるが、2~3年に1回くらいリストラをしている場合はどうなのか、などの問題点が指摘されていた。

IFRS(国際財務報告基準)では、このような分類は存在しない。よって、分類をなくすべきだという意見もあったが、「15年間以上、日本に根づいているし、分類があったほうが(実務上の)ばらつきも少ないだろうから残した方がいい、ということになった」(ASBJの小賀坂敦副委員長)。

新たな実務指針の分類は、以下の1~5である。

より細かくなった分類

繰延税金資産の回収可能性はこれで高まるのか

分類1:過去3期と当期の計4期で、期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得が生じている――これは現行の1号と同じく超優良企業だ。

分類2:過去3期および当期の計4期で、臨時的な原因で生じたものを除いた課税所得が安定的――固定資産売却など臨時的な損益を除いた業績が安定的な会社で、黒字が続いている優良企業がこれに当たる。

分類3:過去3期および当期の計4期で、臨時的な原因で生じたものを除いた課税所得が大きく増減している――現行の3号とほぼ同じ。

分類4:過去3期および当期の計4期で、重要な税務上の欠損金が生じている――大赤字が1期でも生じた場合。現行の4号と違って、リストラのただし書きがない。

分類5:過去3期および当期の計4期で、すべての事業年度において重要な税務上の欠損金が生じている――4期連続で大赤字の会社である。

次ページただし書きを増やした回収可能性
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