累計10億本!森永「パルム」の売れ続ける秘密 大人向け箱入りアイスはいかにヒットしたか

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毎年繰り返しやってくる猛暑。今年の夏も暑くなるだろうと予想して、開発チームは氷系のアイスに狙いを定めた。氷系のアイスといえば代表格は赤城乳業の「ガリガリ君」だろう。食べれば確実にカラダをクールにしてくれる。だが、それはどちらかといえば物性的な価値だ。対するパルムは「外から帰ってきて、家の中でゆっくりとしながらカラダも気持ちもクールダウンする」。そんなコンセプトが考案された。

新たな商品は、「PARM(パルム) ピュレコーティング オレンジ&バニラ」(写真)。なめらかなオレンジアイスとしっとりしたバニラアイスを、オレンジ果肉とオレンジピールを含む果汁で包んだアイスバーの誕生だ。それは、パルムのコンセプトである「毎日のちょっとした贅沢」=「デイリープレミアム」に、「リゾート」の要素を取り入れた新商品である。

ちょっと贅沢な気分が楽しめる?

面白いデータがある。森永乳業の調査によれば、実際に「パルム ピュレコーティング オレンジ&バニラ」を食べた70%以上の対象者が「リゾート地に出かけたようなちょっとした贅沢な気分を楽しんでいる」という。そこから「イエナカ・リゾート」というメッセージが新たに設定された。

パルムの従来のターゲットが20~30代の独身有職女性であるのに対し、ピュレコーティング オレンジ&バニラは40~50代の中高生の子どもを持つ主婦がメイン。子どもが大きくなり、一緒に長期旅行をする機会も少なくなる。その「自分時間」を「イエナカ・リゾート」というコンセプトで狙っているのである。

リゾートを感じるパッケージ。「ガリガリ」ではなく、「しっとり」とした贅沢な食感。そしてすっきりとした味わいで従来のチョコ系のパルムともカニバリすることなく棲み分けが成立するスグレモノの商品なのだ。

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