たばこ一本足打法のJT、医薬・食品の実力 ドル箱事業の「次」は育つのか?

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テーブルマークは13年3月期をメドに冷凍野菜事業からの撤退も決めた。利益率の高い米飯や麺類などに注力する方針に切り換え、選択と集中を加速させている。広告が厳しく規制されているたばこ事業と違い、食品事業では大規模な広告も打てる。食品事業についてJTは当面、国内食品メーカー並みの営業利益率3%を目指すとしている。

「たばこ事業はJTの利益の中核。たばこ事業の競争力強化に向けた成長を最重要視する」。8月中旬、国内最大の看板商品である「マイルドセブン」ブランドの刷新を発表した際、JTの小泉光臣社長はこう宣言した。

とはいえ、たばこをめぐる規制が年々厳しさを増しているのも確かだ。2005年にWHO(世界保健機関)のたばこ規制枠組み条約が発効してからは、特にたばこの広告宣伝やパッケージ上の表示が厳しく規制されるようになった。今回「マイルドセブン」を「メビウス」に改称する背景も、「マイルド」という名称そのものが規制の対象になりうる可能性を考慮したものであり、たばこに対する目は厳しくなっている。

加えて、毎年さまざまな国で健康目的の増税が行われている。特に先進国では新規の顧客を取り込みづらくなり、他社のシェアをいかに奪うかという世界。6月に行われたJTの株主総会でも、たばこ事業の将来を不安視する声が相次いだ。

 

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