激動の1年を振り返る「鉄道ニュース」10選 北陸新幹線開業、「北斗星」廃止、事故・・・
6) インドで新幹線システムの採用決定
日本の鉄道ビジネスの海外進出に関するニュースも世間を賑わせた。12月には、インド初の高速鉄道に日本の新幹線方式が採用されることが決まった。新幹線方式の採用が決定したのは、インド西部の都市ムンバイと、約500km離れたアーメダバード間を結ぶルートだ。総事業費は約1兆8000億円で、2023年の開業を目指している。
9月末には、日本と中国が受注を競っていたインドネシアの高速鉄道計画で、日本は最終局面で競り負けるという結果になっていただけに、インドでの新幹線方式採用で巻き返しを図った格好となった。
7 ) 日立がイタリア大手鉄道メーカー買収
海外展開では、日立によるイタリアメーカー買収も大きな注目を集めた。
同社はイタリアの航空・防衛関連大手、フィンメカニカ社傘下の大手鉄道車両メーカー、アンサルドブレダの事業の大半と、鉄道信号システムを手がけるアンサルドSTSの株式の約40%を取得する契約を2月下旬に締結。11月には買収手続きが完了した。
日立はすでにイギリスで高速鉄道車両などを相次いで受注しており、欧州大陸の大手メーカー買収は今後のヨーロッパ展開に向け大きな足がかりになるだろう。特に、アンサルドSTSは世界的に普及が進む無線式の信号システムや欧州標準信号システムの最大手の一つで、鉄道システムの中核といえるこれらのノウハウを日立が獲得したことは大きいといえる。
フリーゲージ、青信号は見えず
8 ) FGT、試験再開は2016年度後半に
2014年11月末からトラブルにより試験走行を中止していた、線路幅の異なる在来線と新幹線を直通できる「フリーゲージトレイン(FGT)」。国土交通省は12月4日に、試験再開が早くても2016年度の後半になるとの見通しを示した。
FGTは、2022年度の開業を予定している九州新幹線長崎ルートへの導入に向けて試験が行われていたが、営業運転に使用する量産車の製造が開業予定年度までに間に合わないことも明らかになった。北陸新幹線でも、2022年度の延伸開業が決まっている敦賀から先、関西方面への直通運転でFGTの導入が予定されているが、開発の遅れによる影響が注目される。
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