学歴不要!人生は「読書次第」で大きく変わる カリスマ堀紘一さんが語る

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ハウツー本は大学受験の問題集のように即物的で近視眼的であり、短期的な「戦時の勉強法」にはなんらかの役に立つかもしれないが、教養を磨くための読書とは一線を画す。もしも読みたいなら、その分は年50冊、100冊のうちにカウントしないようにしてほしい。

ビジネス書は全体の40%でいい

私のいうビジネス書とは、経済、経営、マーケティングといった各分野の専門家たちが書いた本のことだ。手前味噌だが、私が書いた本もそこに加えてもらえると、きっと得るところがあると思う。

年100冊ならその40%は40冊、50冊ならその40%は年20冊。月2、3冊はビジネス書を読むイメージである。

「ビジネスパーソンなのだから、主戦場であるビジネス書が全体の半分以下というのは少なすぎるのではないか?」という疑問を持つ人がいるかもしれない。しかし、ある程度読むとわかってくるのだが、ビジネス書はタイトルや著者は違っていても、実のところ同じような内容が書いてあるケースが大半なのだ。だから、ビジネスパーソンでも全体の40%でいいと私は思っている。

残りの60%は小説が30%、その他が30%という割合で読んでほしい。

ビジネスパーソンに小説をすすめると意外な顔をされることもあるが、ビジネス書ばかり読んでいると少々頭が硬くなってくるし、やや難しいところもあるだろうから、背すじを伸ばして集中して読まないといけない。

小難しいビジネス書を気楽に読める胆力があれば、それはそれでたいしたものだが、多くの若い世代はビジネス書ばかりではどうしてもしゃちほこばってしまうだろう。読書には気分転換の効用もあるから、肩の力を抜いて読める小説も読むべきなのだ。

そうはいっても、小説は単なる気分転換の道具ではない。再三触れているように、小説を読むと語彙や言い回しが広がる。それがコミュニケーション力やストーリー構築力といった表現力の向上につながってくる

ビジネスパーソンに読んでほしいジャンルとしては生物学、歴史、軍事学、哲学の4つを挙げたい。これはその他の30%に入る。ほかにも、ノンフィクション、エッセイの類いが入ってくる。

年100冊ペースなら、小説とその他がそれぞれ30冊、50冊ペースならそれぞれ15冊である。月1、2冊といったところだから、細切れの時間の寄せ集めでも余裕で読破できるだろう。

堀 紘一
ほり こういち / Kouichi Hori

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞経済部を経て、73年から三菱商事に勤務。ハーバード・ビジネススクールでMBA with High Distinction(Baker Scholar)を日本人として初めて取得後、ボストン コンサルティング グループで経営戦略策定を支援。89年より同社代表取締役社長。2000年6月、ベンチャー企業のコンサルティングを行うドリームインキュベータを設立、代表取締役社長に就任。05年9月、同社を東証1部に上場させる。著書多数。

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