難民や避難民が急増、6000万人を大きく超過 国連が報告、過去最高に
[ジュネーブ 18日 ロイター] - 国連は18日発表した報告書で、強制的に住む家を追われた人々の数が今年、世界中で過去最高の6000万人を「はるかに超えた」との見方を示した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「難民や国内避難民は2015年に初めて6000万人を超える見通しで、いまや122人に1人が家を追われたことになる」と報告書で述べた。2014年末には全体で5950万人だった。
戦争や迫害を逃れて国境を越えた「難民」は推定2020万人で、1992年以来最大。ドイツやロシア、米国では、今年上半期に過去最高の100万件近い難民申請が新たに提出され、約250万人分が未処理となっている。
国境を越えずにいる「国内避難民」は今年半ば時点で推定3400万人。2014年の同時期より約200万人多い。3月に内戦が勃発したイエメンが最も多く、新たに93万3500人が家を追われた。
依然として発展途上国の国境紛争地帯が、難民の最大割合を占めており、報告書は「感情的な恨み」や「難民の政治利用」が増えていると警告した。
報告書は今年半ば時点の公式データに基づいている。地中海を渡って欧州に移民や難民が流入したピークは10月だった。
2011年に始まったシリア内戦では、今年半ばまでに420万人が外国に逃れて難民となり、760万人が国内避難民となっている。
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