批判だらけの「NHK紅白歌合戦」はどこへ行く 司会・出演者の人選に見える伝統保守の苦悩

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目玉がないといわれる今年の「紅白」。なおかつ、その人選についてはいつも以上にとやかくいわれている。不穏な空気をいち早く察した「紅白」チームが、通常の「紅白直前スペシャル」に先駆け、「ちょっと早い紅白特集」を組んだのには、そんな事情もあったかもしれないと推察する。

ここで、今年の「紅白」についておさらいをしておこう。

司会者の発表が遅れたワケ

例年であれば、10月中旬には司会者が決定しているはずが、今年は11月26日に異例の司会者&出場者同時発表となった。「タモリに総合司会を依頼したが、断られた」などという話が一部のスポーツ紙でまことしやかに報道されていた。

確かに、タモリは1983年にも総合司会を務めたこともあるし、現在、「ブラタモリ」が好調ということもあり、NHKがタモリを目玉のない今年の「紅白」の目玉にしようと目論んだとしても不自然な話ではない。

おまけに、来年の大河ドラマ「真田丸」の主演はタモリと同じ事務所の堺雅人だ。ところが一部報道のとおりだとすると、残念ながらNHKの願いも虚しく、タモリにフラれ、その結果、司会者決定が大幅に遅れた、ということだが、真相のほどはわからない。

最初からタモリと2人で総合司会を依頼する予定だったのか、タモリに代わる目玉として急遽お願いしたのか、真相はわからないが、結果的に今年の総合司会は黒柳徹子が務めることになった。

「戦後70年、放送90年目にあたる節目の紅白」で、「紅白や日本のテレビを象徴する人といえば黒柳さん。まさに、テレビ界のレジェンド」。番組プロデューサーは黒柳徹子を起用した理由をこう説明した。

それについて異論はないが、最近では自身の番組「徹子の部屋」でもゲストを座ったままでお迎えするようになった黒柳徹子。女性誌にも「紅白は大丈夫!? 衝撃の車椅子生活 極秘通院」という記事が掲載されるほど、周囲は心配している。長丁場の「紅白」だけに黒柳徹子の体力が持つかどうか。実際、スケジュールの都合とはいいつつも、黒柳徹子は会見の席にも現れなかった。

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