パイオニア新型カーナビの実力 業界に革命を起こせるか
また、主要なガソリンスタンドやコンビニ、外食チェーンがあると、その位置に看板も「浮き上がる」ようになっており、目標として見逃すことはない。もっとも、接近するとかなり大きく表示されるうえ、表示対象となる施設が狭い地域に多数あるとHUDがにぎやかになる。市街地走行時にはやや煩雑に感じられる。残念ながら、表示される情報の種類を任意に選ぶ機能はない。
地図表示モード(マップモード)は、通常の案内地図が表示される。ディスプレーの縦横幅が長くないため、通常のディスプレーに比べ前後(上下)幅は狭いものの、運転中にときおり確認するには十分だろう。詳細を確認したいときは、車を停めて本体のディスプレイを見ればいい。
今回は、体験しなかったが、高速道路の走行中はハイウェイモードが表示され、出口までの距離やサービスエリア等の情報が表示されるようになっている。
このHUDユニットが付属するカーナビは、パイオニアの機種の中でも最上位機種ということもあり、それとHUDが組み合わされる形で、従来のカーナビとはひと味もふた味も違った体験ができる仕組みになっている。
カーナビ専門メーカーの生き残り策
今回、パイオニアがHUDに取り組んだ背景には、市販カーナビのトップメーカーとして、カーナビの差別化を図る必要が挙げられる。カーナビをはじめとするナビゲーション機器はスマートフォンなど安価な汎用デバイスの台頭で、専用機器ならではの機能を持たなければ、競争力が維持できない状況になっている。そこでパイオニアが選んだ差別化の選択肢の1つが、ディスプレーの革新というわけだ。
HUD実現のキーとなったのが、レーザーを使った表示装置の開発だ。HUDは外が明るくてもはっきり見えなくてはならないため、高輝度・高精細・高コントラストが要求される。ここではパイオニアがレーザーディスクなどで培ってきたレーザー技術を応用した。