東ソーが日本ポリウレタンを完全子会社化し収益の改善急ぐ
総合化学メーカーの東ソーは7月23日、約8割を出資する連結子会社で、ウレタン事業を手掛ける日本ポリウレタン工業を完全子会社化したと発表した。第2位株主で約2割を出資する保土谷化学工業の保有分を取得した。供給過剰を主な背景に苦戦が続くウレタン事業の収益力強化につなげる狙いだ。
東ソーは日本ポリウレタンに80.28%(289万株)を出資してきたが、残る19.72%(71万株)は保土谷化学がこれまで保有してきた。東ソーは17日付でこれをすべて取得、日本ポリウレタンへの出資比率を100%に引き上げて完全子会社化した。
日本ポリウレタンはウレタンのうち断熱材や土木建築材などに用いられることが多い「MDI」を主力とする。ウレタンはアジアを中心に需要の拡大が続く一方で、中国勢や欧米勢などの能力増強が相次ぎ、近年は供給過剰状態に陥っている。
ウレタン事業は東ソーの「クロル・アルカリ」セグメントに属しているが、同セグメントは前2012年3月期でセグメント別の営業赤字100億円の主要因となっており、コストダウンの徹底や、競争力のある新製品の開発などといった改革が喫緊の課題となっていた。
東ソーは日本ポリウレタンの収益力改善を進めるためには、完全子会社化による経営の意思決定のスピード化が必要と判断したようだ。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
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