「ボーカロイドの叔父」と虹原ぺぺろん氏が東京工芸大で特別対談、ヤマハがボカロ事業の裾野拡大に本腰

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ヤマハはボーカロイドの発表後から、クリプトン・フューチャー・メディア(北海道)、ZERO−G(英)など外部企業にライセンスを供与。ボーカロイドの代表格ともいえる「初音ミク(はつね・みく)」はクリプトン社が07年に発売したライブラリソフトのシンボルキャラクターで、ボーカロイド2を搭載している。
 
 ボーカロイドP(Pはプロデューサーの意味)と呼ばれるクリエーターたちが初音ミクに歌わせた楽曲をニコニコ動画などに投稿したことで、ボカロブームに火が着いた。なお、ボーカロイドはあくまでも音声合成ソフトであり、ニコニコ動画などに楽曲とともに投稿されている初音ミクなどの「動画」は、クリエーターたちが別の動画ソフトなどを使って作成している。

ヤマハが昨年4月、都内4カ所(新宿、渋谷、池袋、秋葉原)で14~40歳の男女を対象に行った市場調査によると、「ボーカロイドを知っているか」に対する「YES」の比率は10代で68.4%、20代61.1%、30代41.5%、40代でも35.2%と高め。特に10代女性では「ボカロ曲(ボーカロイドを使った楽曲)を聴くことが多い(3割以上)」という回答が15.6%、「ボカロ曲ばかり聴いている」という回答が8.4%、合わせて24%(ほぼ4人に1人)が「ボカロ曲をメインに聴いている」との結果が出た。

カラオケへも浸透

大島氏は「女子中高生は、特別なサブカルチャーのジャンルとしてではなく、AKB48やEXILEの曲を聴くのと同列に、ボカロ曲を聞いている。ボーカロイドというアニメか何かがあって、その主役の1人が初音ミクだとイメージしているようだ」と分析する。
 
 ただ、「彼女たちの多くはボーカロイドが音声合成技術だとかヤマハの商標だとかは知らない。『セガが作った』とか言っている人もいるようだ」と大島氏は苦笑する。

ボーカロイドをめぐる盛り上がりは動画サイトの視聴だけでなくカラオケの世界にも広がっている。業務用カラオケ機器で首位の第一興商では、10年10月に発売した「LIVE DAM」で動画サイトに投稿されたボカロ曲の配信を開始。第一興商はクリプトン社の運営する作品投稿サイト「ピアプロ」とコラボし、一般のクリエーターから初音ミクなどの静止画作品を募集したものを、ボカロ曲カラオケの背景画像に使うなどしている。また、首都圏でカラオケ店「カラオケの鉄人」を運営する鉄人化計画は、ニコニコ動画を運営するドワンゴと昨年9月に資本提携し、オリジナル背景画像とセットでのボカロ曲提供を始めている。

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