アコーディアの支援する太平洋クラブが民事再生計画案提出。が、反対する会員らと“委任状争奪戦”の様相も
株主総会における大株主との委任状争奪戦(プロクシーファイト)を何とか乗り切ったアコーディア・ゴルフ。総会翌週の7月2日、かねてよりスポンサーに名乗りを上げていた太平洋クラブが、民事再生手続きの「再生計画案」について、当初予定から2カ月遅れで、ようやく東京地方裁判所への提出にこぎ着けた。
太平洋クラブは、今年で40回を数える「三井住友VISA太平洋マスターズ」(国内男子プロゴルフトーナメント)の舞台である御殿場コースをはじめ、17コースを保有するゴルフ場運営の名門。だが、1月23日に東京地裁に民事再生手続開始の申し立てを行い事実上倒産、同時にアコーディアがスポンサー契約を締結し、太平洋クラブの支援に乗り出していた。
当初は4月27日までに再生計画案を東京地裁に提出する予定だったものの、支援するアコーディアの側で4月17日に前社長のコンプライアンス問題が発覚。それに影響されてかどうかは不明ながら、太平洋クラブの再生計画案提出も7月2日の期限に後ろ倒しされていた。
今回、太平洋クラブが提出した計画案の内容は、1万4000人近くに上る預託金付会員(正会員)に対し、一律7%の弁済率で一括弁済するというもの。弁済の資金については、アコーディアが拠出するスポンサー資金の一部から、太平洋クラブが運営を継続するための運転資金と、金融債権者である太平洋ホールディングス合同会社(東急不動産、大和証券グループなどが出資)に支払われる担保権評価相当額を控除した金額が充てられる、としている。
そもそも太平洋クラブのスポンサー探しは、昨年8月以来、国内外の90社を対象に入札を実施。最終的にアコーディアが200億円台後半ともささやかれる入札金額でスポンサーに選ばれていた。ただ、太平洋クラブの会員に対する預託金債務680億円に対し、弁済率7%だと会員に戻る弁済額は総額で50億円足らず。しかも、会員資格を継続する場合は、「現在は免除している年会費を、1~2年後からしかるべき額いただく」と太平洋クラブの桐明幸弘社長(写真)は表明している。