東電を刑事告訴、原発事故の責任を問うには裁判しかない--弁護士・河合弘之

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東電を刑事告訴、原発事故の責任を問うには裁判しかない--弁護士・河合弘之

3月半ば、株主42人が東電の現・旧経営陣27人に計約5.5兆円の賠償を求める株主代表訴訟を起こし、6月11日には福島県民1342人が被曝被害を受けたとして東電経営陣や政府関係者らを業務上過失致死容疑などで福島地検に告訴した。

株主や原発事故被害者は東電の責任を追及できるか。福島の告訴団および株主代表訴訟の弁護団長を務める河合弘之弁護士に話を聞いた(インタビューは6月中旬)。

──株主代表訴訟では、6月14日に第1回口頭弁論がありましたが、感触は。

東電側は社長、原発担当、その他の経営陣の3グループに分けて、それぞれ有名な法律事務所による弁護団をつけてきたほか、東電自体も日本で2番目に大きな法律事務所をつけて補助参加している。しかも、この4弁護団が統一で1通の答弁書を出し、今後も原発を続けると書いている。開き直り路線と言うしかない。福島第一原発事故前と何も変わっていないことがはっきりした。

向こうは立地審査指針や耐震設計指針など各審査基準はすべてクリアしていて、監督官庁の許可を得て指針を守ったのだから、責任はないというスタンスだ。6月末か7月には国会事故調査委員会の最終報告書が出るので、それをもって本格的な答弁をしてくることになるだろう。9月には2回目の口頭弁論が開かれる予定だ。

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