利用者数4億人、グリーが中国で手を結ぶ中国有数のネット企業・騰訊(Tencent)の実態
QQはまた、あまりに多くの人が利用するためハッカーたちの格好の標的にもなっている。ハッカーがアカウント情報を盗み取り、ログインすることで本人がログインできないようにし、QQアカウントの“身代金”を要求する、という事件はよくある。
またQQで利用するアバターの服や背景をはじめとした有料アイテムを購入するため「Q幣」というバーチャルマネーが流通しているが、これ目当てにハッカーが攻撃し、Q幣を盗み取る“強盗事件”も起こっている。
何でそんなにQ幣が流通するかというと、騰訊はポータルサイト「QQ.com」や「QQ遊戯」などのオンラインゲームやブログ「QQ空間」、微博「騰訊微博」をはじめ、さまざまなサービスを展開していて、各サービスでQ幣を利用できるためだ。
騰訊のビジネススタイルは、中国国内でも、まま非難を受ける。外国ではなく中国国内でブームになりそうなサービスやゲームが登場すると、さらにその国産サービスを真似たサービスをリリースし、ネットユーザーを総取りするからだ。
なんでこんなことになるかというと、ユーザーにとっては、すでに持っているQQのアカウントで新しいサービスを利用できるので、新興企業のサービスを利用するよりも面倒がなくていいというわけだ。しかも余っているQ幣を使って楽しめるのでありがたい。
過去の騰訊の模倣の例を挙げると、中国でFacebookモドキのSNSサイト「開心網」が、農場育成ゲーム「開心農場」のブレークでSNS利用者を増やしたが、これから飛躍、というときに、騰訊が「開心農場」にそっくりな「QQ農場」というゲームをリリース。ネットユーザーはQQ農場に走ってさらなるブームを起こし、開心網の求心力が一気に失われていった。
微博に関しても、今でこそ「新浪微博」と並んで「騰訊微博」は2大微博サービスとなって伸びているが、元祖微博サービスではなく、別の中国ベンチャーがtwitterモドキを中国で導入した後、新浪と騰訊がさらにそれを模倣して追随、元祖??摸倣サイトを蹂躙した。
■騰訊微博