米経済の問題は、増税では解決しない 肝心なのは政府支出削減だ--コロンビア大学ビジネススクール校長 グレン・ハバード

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──だが、多くの論者は「欧州など各国の財政緊縮は経済の成長を妨げるだけだ」と批判している。

その批判は正しくない。欧州諸国も米国も、今現在の赤字に焦点を当てるという間違いを犯してきた。米国やEU諸国にとっての真の問題は、中長期的な赤字だ。

オバマ大統領が無残な失敗を重ねてきたのは、長期的な支出抑制についての議論を封印しているからだ。ロムニーが訴えているのは、今日の緊縮策ではなく、適切な大きさの政府を作る道筋を示すことだ。

ではなぜそれが今日の成長を生むのか? それは将来に向けて、投資の阻害要因となる限界税率引き上げの方向へは進まない、と明言することになるからだ。これまでに多くのエコノミストが、このような中長期的な財政緊縮策は、長期的に見れば景気浮揚に大きく貢献しうることを証明してきた。

オバマ政権の予算は、政府支出の対GDP比を、これまでの趨勢だった20%から24%にまで上昇させる一方、膨大な給付金制度(社会保障や、高齢者を対象とする医療保険メディケア、貧困者を対象とする医療保険メディケイドなど)の改革にはまったく手をつけていない。

これら給付額は今後も増加が続くだろう。だからこそ、オバマ大統領は増税に前向きになったのだ。しかし、増税しても問題は解決しない。社会保障とメディケアの給付金だけをとっても、今後25年間に、最大でGDPの10%分増大する。これと比較すると、増税による歳入増は誤差のようなものだ。

財政赤字の主な原因はあくまで政府支出の増大だ。オバマ大統領は、富裕層に対する税率を引き上げるだけで事足りると主張しているが、それは焼け石に水だ。
バーナンキ議長を高く評価している

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