ホンダは、どうして「タイプR」にこだわるのか FF最速!新型シビック タイプRの実力

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今回の5代目は歴代のシビック タイプRとはずいぶん様子が違う。428万円という高めの価格設定もそうだが、見た目からしてエアロパーツがいくつも与えられたスタイリングは異質というか異様にも見えるほどだ。また、エンジンにもタイプRと名の付いた歴代モデルの中で初めて、ターボチャージャー(過給機)が与えられたことも興味深いポイントだ。

歴代タイプRは、ホンダが得意としてきた超高回転型で滑らかに回るエンジンを採用しており、特に高回転域では甲高い音とともに回せば回すほどパワーが盛り上がる官能的なフィーリングが特徴だったが、5代目シビック タイプRはそれとは異質で、動力性能を優先した特性となっている。エンジンは排気量2000ccのターボで最高出力310馬力(228kW)、最大トルク40.8kgf/m(400N・m)を発生する。

それらの理由はズバリ、FF(前輪駆動)量産車で最速を目指したからだ。
その目的を達成するために、この車には多くのものがつぎこまれていおり、以下の3つの「FF最速」を達成している。

・ニュルブルクリンクのラップタイム=7分50秒63
・最高速度=270km/h
・0-100km/h加速=5.7秒

 

ニュルで、メガーヌRSを上回る

ニュルブルクリンクとは、ドイツにあるサーキットのことで、過酷なコース条件からスポーツカー開発の聖地とも呼ばれ、そのラップタイムはスポーツカーメーカーにとって市販車の実力を示すうえでの指標のひとつとなっている。これまでFF量産車で最速だったのは「ルノー メガーヌRS」だが、5代目シビック タイプRはそれを約4秒上回った。

ちなみに日本勢でいうと、国産最速・最強スポーツカーといわれる日産自動車の「GT-R NISMO」が7分08秒68となっている。といっても最高出力600馬力級のモンスターマシンと40秒あまりしか差がないというのは、FF車としてはかなり健闘しているほうだ。

一昔前は、FF車で200馬力以上の性能は無意味といわれていた。エンジン出力を上げても速さにはつながらないという意味だ。

車は加速時にフロントが浮いてリアが沈むのだが、フロントが浮くとホイールスピンして、タイヤのグリップ力が損なわれてしまい、パワーを路面に伝えることができなくなる。駆動力が強いほど、その傾向が強まる。そのため、前輪駆動のFFは200馬力ぐらいが限界だとされてきた。

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