日本最古の本格インド料理店がスゴかった ナイスな店主のトークで味わう極上カレー

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ということで、おすすめの「ムルギーランチ」1500円を注文。少し待つと、早速シルバーのプレートが運ばれてきた。そして、それがテーブルに置かれるやいなや、「じゃあ、全部混ぜますよ~」と、混ぜ始めようとするG.M.ナイルさん。

急な展開に戸惑う筆者を見て、「『ムルギーランチ』は、しっかり混ぜてから食べてください。混ぜると味の層ができておいしくなるの。これ父が考えたやり方なんですけど、混ざって渾然一体となったほうが味に深みが出るんです」とのアドバイスが。なるほど、では、お任せいたします!

一体となっていく……。渾然一体の深い味わいを楽しむまで、あと少し!

プレートの上で一体となっていく、黄金色に輝くターメリックライス、ボリュームたっぷりの骨付きもも肉、添えられたポテトとキャベツ、そしてスパイシーな香りが立ち上るルー。そしてまんべんなく混ぜられた「ムルギーランチ」が完成! 早速いただいてみた。

ひと口味わうと、しっかり混ぜただけあって複雑な味わいが口の中に広がる。ルーはポテトやキャベツといった野菜と混ざり合い、スパイスの辛さの中に甘味を感じる。口当たりにはしっとりとした独特の重みがある。そのためルーとターメリックライスがしっかりと絡み合い、早くもスプーンが止まらない。チキンも柔らかくて絶品だ。スパイシーな味付けがうま味を引き立てている。なるほど、名物として人気が衰えないのも納得だ。本当にうまい!

信念を変えないからこそ良質な素材にこだわる

黄金のターメリックライスと岩手県産の骨付きチキン

この「ムルギーランチ」の特徴を、G.M.ナイルさんに尋ねると、ルー、骨付きチキン、ターメリックライスなど、素材それぞれに対する3つのこだわりがあるとのこと。

 

 

1.スパイシーなルーは毎朝仕込む

こちらでは、ルーを寝かせて提供するようなことはしない。ルーには、バランスを考え抜いた6種類のスパイスを使い毎日作る。これは、できたてのおいしいルーを味わってほしいからとのこと。

2.柔らかい骨付きチキン

大ぶりな骨付きもも肉は、長年付き合いのある肉屋から仕入れたもの。岩手県産の鶏を、タマネギとスパイスを入れたスープで煮込んでいる。

3.パラリとしたターメリックライス

お米は、岩手県にある『ナイルレストラン』が所有する田んぼから収穫されたものを使用。極力農薬は使わない方針で生産を行っている。

「『ムルギーランチ』は、創業以来ずっと提供しているうちの看板メニューです。ちなみに、名前に“ランチ”とついているけれど、夜も注文できますよ(笑)」

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