大阪ダブル選、真の勝者は橋下徹氏ではない

安倍政権に抗する野党再編は完全ブレーキ

柳本氏は今年5月に大阪都構想の住民投票が実施された時、切れのいい橋下批判で一躍名を馳せ、否決に導いた立役者。叔父の卓治氏は中曽根康弘元首相の秘書を務め、大阪市議と衆院議員を経て、現在は参院議員を務める。亡父も市議を務めており、いわば柳本氏は大阪市政のサラブレッドといえる存在だ。

その柳本氏が結果的に19万票も差を付けられて新人候補に敗退したのだ。これは自民党大阪府連にとって大きなショックであると同時に、維新の党や今後の政局に少なからず影響を与えることになる。

勢いづく「おおさか維新の会」

ダブル選勝利の酔いがまだ醒めぬ11月24日、おおさか維新の会は「執行役員会」を開き、改めて解党を協議した。維新の党の正統な執行部は自分たちであって、松野氏らではないというスタンスを崩していない。強気の原因は主としてダブル選で大勝した結果だが、投票日にNHK大阪が映した出口調査データの映像もその一因になっているに違いない。

22日にNHKが行った出口調査によれば、府知事選では自民党支持が26%、民主党支持と公明党支持がそれぞれ4%で共産党支持が5%だが、維新の党支持が20%でおおさか維新の会支持が16%という結果になっているのだ。市長選ではそれぞれ、23%、4%、6%、4%、19%と21%で、維新の党とおおさか維新の会が民主党以下を大きく引き離して拮抗している。

しかし常識に考えて、それはありえない。答えている有権者の多くが、維新の党とおおさか維新の会の区別をつけていないというのが真相だ。これは、松井氏と吉村氏が獲得した票数にあてはめても明らかだ。言い換えれば、おおさか維新の会はいまだに「維新の党」と認識されているのだ。

こうしておおさか維新の会は一気に勢い付き、次世代の党や日本を元気にする会と統一会派を組む動きも見せている。

次世代の党はかねてから与党寄りの色を強めていたし、日本を元気にする会には渡辺喜美氏が背後に控えている。渡辺氏は「かねてから安倍晋三首相に近く、いまは援助を受けている」と証言する関係者がいるほど、官邸との繋がりは強い。彼らは自民党の補完勢力として野党再編を阻み、安倍政権の長期延命に貢献するに違いない。

とすれば、大阪ダブル選での真の勝者は誰なのか。目先では橋下氏でありおおさか維新の会だが、長いスパンでみれば安倍官邸こそが真の勝者なのかもしれない。

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