「ひとりっ子のほうがマシ」親の介護で噴出するきょうだい格差、押し付け合いの末路。母の「娘を産んでおいて、よかった」にカチン
退院後、母には介護保険でホームヘルプサービスを利用するように勧めても「他人が来ると疲れる」と拒否します。デイサービスにも通いません。仕方なく、かおりさんが週末実家へ行き、母親を買い物に連れて行ったり、家事を行ったりするようになりました。
「私は毎週、実家へ行くのに、私よりも近くに住んでいる兄は何もしない。不公平でしょ。でも、母はそれを当たり前だと思っているんですよ。ずっと我慢していたのですが、母の一言に、自分の中の糸がプッツン切れました」
それは、母親と昼食を食べているときのことでした。
「いろいろ手伝ってくれて、助かるわ。娘を産んでおいて、よかった」
かおりさんはそんな母親の言葉に驚きました。
「はあ? 私は、お母さんの介護をするために生まれてきたの? 前から聞きたかったの。どうして、アニキじゃなくて、なんでも私に頼むの? アニキのほうが近所に住んでいるのに」
母親の返答は、かおりさんの怒りを一層大きくしました。
「だって、〇〇(長男)は忙しくしているし、男だから……」
この日を境に、かおりさんは母親と距離を置くようになりました。
かおりさんが距離を置いたため、母親は介護保険のサービスを利用するようになりました。「私が手を出しすぎていたのかもしれませんね」とかおりさんは振り返ります。
長期戦に備えて考えておきたい役割分担
まさるさんやかおりさんのようにならないためのポイントは、きょうだい間で早めに“役割分担”を決めることです。
そして、介護費用については親の介護なのですから、原則本人のお金で賄えるようにしましょう。経済的にゆとりのある親の場合では、親元へ通うための交通費まで負担しているケースもあります。
また、介護といえば、入浴、排泄(はいせつ)、食事の介助など身体的なサポートを思い浮かべがちです。



















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