「ひとりっ子のほうがマシ」親の介護で噴出するきょうだい格差、押し付け合いの末路。母の「娘を産んでおいて、よかった」にカチン
罪悪感から、まさるさんは母親に対し、「一緒に暮らせなくてごめん。せめて介護にかかるお金くらいは持つよ」と申し出たのです。さらに「なるべく毎月、帰省する」とも約束しました。
その話をしたとき、横にまさるさんの妹もいましたが、無言で話を聞いているだけでした。「妹は言葉を発しませんでしたが、僕と同じ気持ちだと思っていたんです」と当時を振り返ります。
そのとき、まさるさんは介護費用の具体的な額を想定していたわけではありません。しかし実際に負担が始まると、交通費もあるため思った以上にお金がかかりました。
「飛行機の早割を取れないと、月に10万円近くかかることもあります。母を病院に連れて行くためのタクシー代とかもあるので、お金がどんどん出ていくんです。妻から文句が出ることも……」とまさるさん。
しかし、一度始めた“親孝行” をやめることは簡単ではありません。あるとき「夕食の弁当代は、自分で出してほしい」と言おうとしましたが、母親から「いつも、ありがとう」と言われると、言えなくなったそうです。
妹に「少しは負担してほしい」と言うつもりで電話したときも、「アニキは親孝行だね。私は無理だから」とそっけなく言われて終了。
まさるさんは、母親を担当するケアマネジャーや主治医との窓口も担っています。「せめて、ケアマネジャーとの窓口を代わってほしい」と言うと、「お母さんのことは、アニキのほうがよくわかっているから」と、これまた“のれんに腕押し”でした。
まさるさんには娘が1人いますが、もうすぐ大学を卒業するので、今後は学費がかからなくなります。そのため、どうしても介護費用を出せないわけではありません。しかし「なぜ、僕ばかりが……、と後悔しています。妹は逃げている。ズルい」と言い、まさるさんはうなだれます。
「娘を産んでおいて、よかった」にカチン
かおりさんの母親は自宅の階段で足を滑らせて転落し、大腿骨を骨折して入院しました。治療、リハビリのかいあって1人で歩行できるまでに回復したのですが……。



















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