九州大学が研究者育成にギアを上げた!「修士・博士5年→最短3年」「"授業料9割分"以上の奨学金」 学部〜博士を通貫、攻めたコースの背景とは?

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「博士課程までを見据えた意欲を重視しますが、進学後の学びの中で進路や研究テーマが変わることはありえますよね。研究室の変更等については、指導教員や関係部局と相談しながら対応する方針です」(田中教授)

また、孤立を防ぐ環境づくりも重視している。研究志向の学生が集まり、互いに刺激を受けながら学べるようにするという。周囲が進学しないために博士課程進学をためらうケースもあるとされるなか、同じ志を持つ学生同士のコミュニティ形成も支援していく。

博士の出口戦略、海外企業と張り合える基盤に

博士号取得後のキャリアはどう描いているのか。

「アカデミアだけでなく、企業の研究開発部門や技術系専門職、スタートアップなど多様な進路を想定しています。海外では企業の研究職や経営層にPhD保持者が多く、日本企業でも国際的な研究開発の現場では、博士人材の重要性が高まっているとされています。

海外企業との議論では、“なぜ”を論理的に説明できる人材が求められます。博士課程での訓練は、その基盤となるでしょう」(田中教授)

単に学位取得をゴールとするのではなく、高度な専門性と論理的思考を武器に、社会の多様な分野でリーダーシップを発揮できる人材を育てるのが目標だ。

野瀬教授はこう結んだ。

「一律的な教育だけでなく、早くから研究に挑戦したい学生のための選択肢があってもいい。学生一人ひとりの意欲や適性に応じた、新しい育成の形を探っていきたいと考えています」

日本の博士人材の不足と国際競争力の低下が指摘されて久しい。大学が高校段階から長期的に研究者育成に関与するこの試みは、日本の高等教育における1つの試金石となるだろう。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
下原 一晃 ライター

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しもはら かずあき / Kazuaki Shimohara

マーケティング会社、リクルートなどを経て、エディター・ライターとして独立。企業の経営やマネジメントに関連する取材・執筆に携わる。経営トップの取材、有識者インタビューなどの経験も豊富。一方で、テクニカルアナリスト、ファイナンシャルプランナーとして、株式投資、投資信託をはじめとする資産形成や、年金、相続などに関する取材・原稿執筆も行っている。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA)、2級ファイナンシャルプランニング技能士(資産設計提案業務)。

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