九州大学が研究者育成にギアを上げた!「修士・博士5年→最短3年」「"授業料9割分"以上の奨学金」 学部〜博士を通貫、攻めたコースの背景とは?

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高校段階から博士までの長い期間を見据えての一貫教育は、なかなかに思い切った取り組みだ。なぜ今、ここまでの危機感を持って制度を打ち出すのか。その背景には、日本の「博士人材が増えない」という深刻な状況がある。

主要国の人口100万人当たりの博士号取得者数(それぞれ各国最新年度)を見ると、英国(355人)、ドイツ(314人)、韓国(342人)。対して日本は123人。

「科学技術指標2025」によると、「2010年度と各国最新年度を比較すると、(中略)日本は6%減少している。これに対して、韓国は61%、米国は31%、英国は11%増加している。数は少ないが中国は74%増加」とのこと。伸び率も人数もふるわない結果だ

博士取得者数の国際比較
(画像:文部科学省中央教育審議会大学分科会大学院部会(第122回)「大学院関連参考資料集(令和7年12月8日時点)」より)

「研究を仕事にしたい、科学技術の発展に貢献したいと考える高校生や大学生は確実にいます。しかし、経済的な理由や、周囲に博士が進んでいないことによる孤独感から、その意欲が削がれることも多い。意欲を途切れさせず、長期的に育成する仕組みが必要です」(田中教授)

アカデミアだけでなく、ビジネスにおいても国際競争力への影響が指摘されている昨今、博士人材の枯渇を打破するための九大の回答が、このコースなのだ。

※出典:文部科学省中央教育審議会大会分科会大学院部会(第122回)「大学院関連参考資料集」より

工・農学部から始動、全学展開も視野に

初年度で募集対象となるのは工学部の一部の学科と農学部だ。その狙いを、学部・修士教育改革部門長を務める野瀬健教授はこう語る。

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