「ドクターイエロー」、裏側まで撮影した男の人生 写真家・村上悠太「鉄道を支える人たちを撮りたい」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その製作にあたって村上は、典型的な鉄道写真、カッコいいだけの写真はいらないと思った。

「ドクターイエロー」に乗務する検測員と、その日々の仕事。

そして「ドクターイエロー」に憧れ、応援してくれるファンの人たち。

「ドクターイエロー」は鉄道ファンに限らず、老若男女が関心を持つ珍しい車両だ。

まもなく役目を終え、過去のものになるその存在自体を写真集として残し、伝えるべきだと考えた。

こうした「鉄道写真家 村上悠太」の方向性は、JR東海ともマッチした。

村上は、今回製作した『ありがとうT4 JR東海公式 923形ドクターイエロー引退記念写真集』について、「T4と、(ファンを含めた)その周りにいたすべての人たちが主人公」「『人の力』が詰まった写真集」だと話す。

写真を撮影したときの状況を楽しそうに説明する(写真:恵知仁)

「いつも通り」に入り込んで撮影

約1年間にわたって行われた、その撮影。

「ロマンスカー」の運転士に憧れた子供は、大人になって、走行中の「ドクターイエロー」運転席へ入ることになった。

「ここでカメラを構えられる日が来たんだ」と、村上は思った。

運転士への憧れ、走行中の新幹線運転席というスペシャルな場面という喜びもあったが、このとき村上が最も感じていたのは「信頼」だ。

「いつも通りの安全運行」が何より重要な新幹線。その「いつも通り」に、「撮影」「カメラマン」は含まれない。

特に運転席は、「安全運行」を司る核心のひとつだ。村上は、その核心の「いつも通り」に入り込み、撮影できた。

それを実現したのは、「鉄道写真家 村上悠太」の矜持と、それが築いてきた信頼である。

「ドクターイエロー」運転席のドアが開き、「どうぞ」と言われた瞬間、村上の目は潤んでいた。(敬称略)

『ありがとうT4 JR東海公式 923形ドクターイエロー引退記念写真集』(ウェッジ)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。
この記事の画像を見る(5枚)
恵 知仁 鉄道ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

めぐみ・ともひと / Tomohito Megumi

鉄道を中心に、飛行機、船といった乗り物全般やその旅について、取材、記事執筆、写真撮影、書籍制作などを行ってう。子供のころからの鉄道好き、乗り物好きで、日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車(完乗)。2014年にウェブメディア「乗りものニュース」を創設し、約6年間、初代編集長を務めた(現在、そのメディアならびにその運営会社とは無関係)。2級小型船舶免許取得。早稲田大学第一文学部卒業。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事