「ドクターイエロー」、裏側まで撮影した男の人生 写真家・村上悠太「鉄道を支える人たちを撮りたい」
その製作にあたって村上は、典型的な鉄道写真、カッコいいだけの写真はいらないと思った。
「ドクターイエロー」に乗務する検測員と、その日々の仕事。
そして「ドクターイエロー」に憧れ、応援してくれるファンの人たち。
「ドクターイエロー」は鉄道ファンに限らず、老若男女が関心を持つ珍しい車両だ。
まもなく役目を終え、過去のものになるその存在自体を写真集として残し、伝えるべきだと考えた。
こうした「鉄道写真家 村上悠太」の方向性は、JR東海ともマッチした。
村上は、今回製作した『ありがとうT4 JR東海公式 923形ドクターイエロー引退記念写真集』について、「T4と、(ファンを含めた)その周りにいたすべての人たちが主人公」「『人の力』が詰まった写真集」だと話す。
「いつも通り」に入り込んで撮影
約1年間にわたって行われた、その撮影。
「ロマンスカー」の運転士に憧れた子供は、大人になって、走行中の「ドクターイエロー」運転席へ入ることになった。
「ここでカメラを構えられる日が来たんだ」と、村上は思った。
運転士への憧れ、走行中の新幹線運転席というスペシャルな場面という喜びもあったが、このとき村上が最も感じていたのは「信頼」だ。
「いつも通りの安全運行」が何より重要な新幹線。その「いつも通り」に、「撮影」「カメラマン」は含まれない。
特に運転席は、「安全運行」を司る核心のひとつだ。村上は、その核心の「いつも通り」に入り込み、撮影できた。
それを実現したのは、「鉄道写真家 村上悠太」の矜持と、それが築いてきた信頼である。
「ドクターイエロー」運転席のドアが開き、「どうぞ」と言われた瞬間、村上の目は潤んでいた。(敬称略)
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