【キーマンズ・インタビュー】驚異の定着率を誇るアサヒビール--林雅子・人事部キャリア開発・ダイバーシティ推進担当部長に聞く
一般的な企業の役職に当てはめれば、�は部下がいない主任クラス、�が係長か課長クラス、�がライン長、�が事業場長に相当する。
--ダイバーシティに関する取り組みについて教えてください。
アサヒビールに「女性活躍推進担当」部署ができ、わたしが部長に就任したのは2008年9月だった。そして2009年に女性の活躍支援とダイバーシティの推進するプロジェクトや施策を提言し、2010年から実行に移している。
仕事と家庭の両立支援制度は数え切れないほどある。「ショートタイム勤務制度」は中学校就学前の育児を支援するもので、1日最大2時間分の就業時間を短縮できる。他社にも類似の制度はあるが、当社は対象となる社員の子どもが3歳未満の期間は就業免除した時間も有給だ。また子どもが小学校を卒業するまで、この制度を使うことができる。
子ども1人当たり年間10日間の「子育て休暇制度」もあり、これも子どもが3歳未満は5日間までは有給で、小学生の間は使うこともできる。子どもが2人なら年間20日間の休暇を取ることができる。他社でも類似の制度はあるだろうが、アサヒビールの女性支援は法令で定める水準にとらわれず、独自に決めている。
もちろん育児に専念してもいい。「育児休業制度」の休業期間は2年間だが、復帰率はほぼ100%だ。また「ウェルカムバック制度」があり、結婚・妊娠・出産・育児・家族の看護介護・配偶者の転勤などの理由で退職した場合、規定の条件が満たされていれば再雇用を認めている。
この他に「スキルアップ休職制度」がある。大学・大学院通学、語学力向上のための留学・通学、配偶者の海外転勤に伴う同行による研鑽など、自らのスキルアップのために利用できる3年を上限とする休職制度だ。
--新卒採用の3~4割が女性と聞きました。いつ頃から女性採用に取り組んでいますか?
1989年に女性総合職の採用を始めた。1990年と1991年には大量採用している。1995年には総合職という制度自体をやめ、転勤ありのナショナルコースとエリア限定コースに分けて採用するようにした。