高市政権の経済政策を支える日本成長戦略会議や経済財政諮問会議では、リフレ派と受け止められている有識者の起用が相次いで話題になった。
そのうちの一人、成長戦略会議の構成員でもあるクレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは「利上げに慎重な人物が起用される可能性がある」とみる。高市首相が諮問会議で植田総裁に「強い経済成長」と「安定的な物価上昇」の両立を期待すると直接伝えたことについて「事実上、日銀にデュアルマンデート(二重の使命)を課した」と指摘。審議委員人事でも政府の基本方針を理解した人物が選ばれると述べている。
市場との関係が最大のリスクに
市場参加者は、金融政策の方向性だけでなく、官邸や政府内でどの助言や意見が影響力を持っているのかを手掛かりに、政権が金融政策をどの程度重く位置づけているのかを見極めようとしている。
大和証券の末広徹チーフエコノミストは「首相が日銀を一定程度コントロールできると考えていれば、審議委員の人事をそれほど重く受け止めない可能性もある」と話す。その場合、「知己のあるリフレ派の推薦をそのまま受け入れる」といった判断に傾く余地も否定できないという。
足元、国政選挙は28年夏頃の参院選まで行われない。高市首相の自民党総裁としての任期は27年9月までで、再選すればさらに伸びる。27年7月に任期を迎える高田委員と田村直樹委員の後任、政権が長期化すれば、28年4月の植田総裁の後任人事まで視野に入ってくる。
これだけ大勝したからこそ、「野党のせいにできない分、政策運営はイケイケドンドンではなく安全運転になる」(経済官庁幹部)との見方もある。マーケットとの関係が政権にとって最大のリスク要因になりつつあるためだ。
「責任ある積極財政」が賃金と物価の持続的な好循環につながるのか、それとも円安やインフレ圧力を強める結果に終わるのか。ある政府関係者は、高市政権が行っているのは「一つの実験」だと表現。その成功も失敗も国民の選択の結果だと語った。
(杉山健太郎 編集:橋本浩)
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