衆院選「自民勝ちすぎ」がもたらす"危うい波紋"、モノ言えぬ空気の党内で動き始めた《独裁阻止》の極秘作戦

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とはいえ、こうした自民党内の“ざわめき”は「勝ちすぎがもたらした“雑音”」(自民党長老)ともいえる。一方で、大惨敗の中道の混乱ぶりは「筆舌に尽くしがたい状況」(有力議員)だ。

選挙戦の“顔”だった野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表は、9日の党役員会で「衆院選惨敗の責任をとり、共同代表を辞任する」との意向を表明。野田氏は役員会後の記者会見で「私と斉藤共同代表から今回の歴史的大敗の責任をとって辞任させていただきたいという趣旨の話をした」と沈痛な表情で語った。

野田共同代表と斉藤共同代表
党役員会後に記者会見する中道改革連合の野田佳彦(左)、斉藤鉄夫両共同代表(写真:時事)

ただ、今回「新党・中道」に結集して衆院選を戦った党幹部のうち、結集の中心人物だった安住淳共同幹事長だけでなく、立憲民主党の創設者である枝野幸男氏、さらには岡田克也氏、小沢一郎氏ら“重鎮”が相次いで落選した。このため、「肝心の新代表をはじめとする党幹部選びも、現状では進めようがない」(有力幹部)という。

加えて、「旧公明党の組織票に期待して、比例上位に旧公明組を並べたことが、旧立憲重鎮らの落選の原因」(旧立憲系の有力議員)だけに、同議員は「とにかく『中道』存続といっても、旧立憲組は素直についていける心境ではない」と漏らす。

だからこそ、「いったんすべてをチャラにして、一から出直すべきだとの声が出始めている」(関係者)とされる。

高すぎる国民の期待にどう応えるか

今後の政治日程を見ると、18日に特別国会が召集され、同日午後の衆参両院本会議で高市氏が首相に指名され、ただちに組閣して同夜、第2次高市政権が発足する見込み。政府はすでに、特別国会の会期を通常国会と同じ150日間とする方針で、会期は7月17日までとなる方向だ。

さらに、新政権発足に伴う自民党人事や政務官人事は19日に決まる見通し。特別国会の実質的な論戦スタートは、連休後の24日に行われる予定の政府4演説と、これに対する各党代表質問となる予定だ。

高市首相周辺は「これだけ圧勝すれば、国会論戦も政権の思うままに進められる」(官邸筋)と胸を張る。しかし、自民党内からは「実績はまだ何もない。消費税減税も含め、論戦を通じて野党側の理解を得られないと、何も進まず、結果的に期待に胸を膨らませてきた国民の不満が高まりかねない」(自民党長老)との厳しい指摘も少なくない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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