スマートテレビに未知の可能性、日本に残された逆転の芽 猪子寿之・チームラボ社長に聞く

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スマートテレビは、単純に「ネットにつながるテレビ」であればよいわけではない。スマホと同様、その意味合いを考えるべきだ。スマートテレビの特徴は、同一空間において“複数”で利用するということだ。基本的にPCもスマホも個人で使うものであるため、スマートテレビの開発には従来の延長線上にはない、まったく新しい発想が求められる。

--日本のアドバンテージとは?

同一空間での複数利用はまだ手つかずの領域で、ネット業界を牽引してきたシリコンバレーにもノウハウが蓄積されているわけではない。少なくともスタートは横一線だ。

日本が強いテレビゲームや、日本発祥のカラオケは、主として複数人が同じ空間で楽しむものである。日本には文化的な素地があるともいえる。個人的な思いつきレベルだが、たとえば、複数人がそれぞれスマホで自分が見たい動画を検索して、スマートテレビに送信する。その動画をスマートテレビに保存していき、皆で順番にそれを見るといった使い方などが考えられる。

スマートテレビの利用は家庭のリビング内に限らない。都市でも利用できる。イメージとしてはデジタルサイネージ(電子看板)が近い。ただ現状では、企業の広告ツールや駅の案内板程度の使われ方しかされておらず、市場としては小さいままだ。

スマートテレビで主導権を握るには、ここで新しい使い方を提示して、イノベーションを起こせるかがカギになる。画面の大きさや画質のよさといったハード面の性能は、はっきりいってどうでもいい。

いのこ・としゆき
1977年生まれ。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業、社長に就任。ブランドデータバンク取締役、産経デジタル取締役を兼任。

(週刊東洋経済2012年5月19日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。撮影:今井康一

 

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