只見線追う郷土写真家、初めて訴える「真実の声」 奥会津の経済崩壊は自然災害でなく「人災」だった

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――星さんが役員を務めていた佐久間建設工業は倒産を免れたと聞きました。

福島県の奥会津地方である柳津町、三島町、金山町、昭和村は、基本的に建設業だけでご飯を食べてきた地域ですが、その地元の名だたる建設会社が次々と倒産しました。

私は三島町の佐久間建設工業に47年間勤務しており当時は役員を務めていましたが、このままだと会社が潰れてしまうという危機感から、まず私自身の給料を800万円から400万円の半分にしたほか、従業員の給料や社会保険のカットを行いました。健康保険については、会社で負担できなくなったので国民健康保険に移すなど、徹底したコストカットにより倒産はどうにか免れることができました。

また、ダンプカー等の外注費もカットせざるを得なくなったことで、その結果、廃業に追い込まれたダンプカー運送会社もあります。

佐久間建設工業では、社長や私自身が率先して身を切る改革を行い、道路の維持補修などについては県の競争入札を通さなくても直接、仕事を取れる仕組みを整えることができました。具体的には、地元の建設業協会が協同組合を結成し、県からの直接受注を可能としたものです。私の会社では、最終的に7割の従業員が残ってくれたため、どうにか事業を継続することができました。

地域の建設業者を守らないといけない

――大変なご苦労をされたのですね。

不祥事や改悪を余儀なくされた場合、通常は責任を取ると言ってもせいぜい半年か1年程度の話ですが、私は定年で会社を辞めるまでの10年間、その半分の給料のまま据え置き、激動期の責任を継続してきましたが、会社の業績が安定してからは、当然、従業員の給与も福利厚生も完全復活させました。

しかし、ここまでの思い切った身を切る大改革に踏み込めなかった大半の建設会社は、倒産し消滅してしまいました。民事再生法により倒産を免れて復活した地域で最大手の建設会社があるほか、二番手の会社では、従業員の大半を一斉解雇して工事の大半を外注に依存する体制にして、かろうじて倒産を免れたようです。

最近になって福島県もようやく地域のインフラと雇用、経済を守るためには、地域の特性に合わせたノウハウを持った地域の建設業者を守らないといけないということに気付き始めて、入札制度を指名競争入札に戻したいと言い始めましたが、指名をしたくても指名できる業者が地域になくなってしまったということが悲しくも切実な現況のようです。

小泉内閣による「聖域なき構造改革」と「佐藤栄佐久知事の抹殺とそれに伴う福島県の入札制度の改悪」は、結果的に地方の経済と安全を震撼させ破壊しただけの政治で、最悪の出来事でした。

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