初公開、50年で「遅くなった」路線ランキング

急行の廃止、新駅の設置など理由はさまざま

約50年前は各地に急行列車が走っていた。四ツ谷―市ケ谷間の中央線を走る急行「そと房」。1971年頃(筆者撮影)

この50年の間で、鉄道技術はさまざまな点で進歩した。だがその一方で、いわゆる“遅くなってしまった”JR路線が、各地に多数存在している。

象徴的な例として、隣接県どうしの県庁所在地、山形―秋田間を見てみよう。山形新幹線と秋田新幹線の開通により、同区間を直通する特急が廃止されてしまった。

1970年には奥羽本線の特急つばさが3時間15分で結んでいたが、現在、山形新幹線、奥羽本線普通列車、秋田新幹線と乗り継ぐことになり、最短でも3時間23分かかる。時間帯によっては4時間以上かかり、当時より乗換が多く不便なうえ、時間も多くかかっている。

山陽・九州新幹線のおかげで大阪から鹿児島まで現在は最短3時間41分で行ける時代である(新大阪―鹿児島中央間)。50年前の同区間は日中の在来線特急で13時間40分もかかっていた。山形―秋田間と大阪―鹿児島間が、現在ほぼ同じ所要時間だということには、あらためて驚かされる。

日高本線は1時間半以上遅くなった

50年前より遅くなったことを整理するため、路線別に、「遅くなった順ランキング」を作成してみた。

「時間がよけいにかかる列車」イコール「遅い列車」と定義すると、1位の日高本線の93分を筆頭に62位の仙山線など1分遅くなった路線まで含めると、60以上の路線で遅くなっている(JR、第三セクターなどの旧国鉄路線に限る)。

各路線の所要時間は、原則として下り定期列車(毎日運行)を対象に、最短所要時間列車で算出している。

例えばランキング4位のJR飯田線。東海道本線の豊橋(愛知県)から中央線の辰野(長野県)まで、1970年時点、最短所要時間の列車は急行伊那1号が4時間30分で走破していた。現在は同区間を乗り通すには、豊橋―飯田間に特急が走っているが、それ以外の区間には普通電車しか走っていないので、最短で5時間20分かかる。

これまで鉄道の歴史は、スピードアップ、所要時間短縮といった進化の視点でほとんど語られてきた。だが一方では、新幹線網の発達など華々しい歴史の陰で、各地で列車が遅くなるという退化現象も起きているのである。

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