中国人留学生激減か…8割が学生募集に打撃、早稲田大学の「留学生モデル」は限界?"日中緊張"が大学現場を襲う
一方、「影響は限定的」と答えたのは、もともと受け入れ数が少ない大学や、上位の大規模大学が大半を占める。また、中国人留学生の減少分を他国からの募集で「代替できる」と答えたのはわずか9%にとどまり、多くの大学が代替の困難さを吐露した。
中国人にとって日本留学の象徴は「早稲田」
早稲田大学は、中国人留学生にとって特別な存在である。その背景には、20世紀初頭から中国の知識人が同校で学んできた歴史的経緯がある。
彼らにとっての比較対象は慶應義塾大学よりも、むしろ東京大学に近い存在として意識されてきた。
とりわけ早稲田は、政治・経済・文学・理工学分野を中心に「日本留学の象徴」として記憶されている。近年、その象徴性を決定づけたのが、2004年の国際教養学部の新設だ。
英語で完結するカリキュラムを前面に打ち出し、日本人学生と留学生を同じ土俵に置くという設計は、欧米の留学生に強い上智大学や国際基督教大学(ICU)とともに、日本の大学界において先駆的な取り組みであった。
興味深いのは、こうした動きが中国人にとって「日本の大学全体」の評価を底上げする要因となった点だ。
現在、中国人留学生が数多く在籍する上位校には、早稲田を筆頭に、東京大学、立命館大学、京都大学といった名門が名を連ねる。
さらに近年では、武蔵野美術大学や多摩美術大学などの美術系、そして東京科学大学、東京理科大学のような理系大学の人気も急速に高まっている。
ちなみに首都圏の中学受験現場でも、開成や桜蔭といった最難関校を目指す層に、中国にルーツを持つ子どもたちが増えている。
中国人留学生の増加を語るうえで、日本では、約800の大学のうち、大半が私立大学である点は欠かせない。私立大学は入試制度や学部設計、留学生の受け入れ方針を各校が独自に決定できる。
こうした背景から、全国で一気に中国人留学生の受け入れ態勢が整い、人数が拡大していったのは自然な流れだった。さらに、近年の上位大学を中心とする大学院の定員増も、その傾向に拍車をかけた。


















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