高校野球「7イニング制」導入議論、球児たちはどう思う? ——「暑さ・怪我対策になる」一方で「9イニングやりたい」本音も

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関東地区のとある高校野球の指導者は言うのだ。

「かつて完投や連投が『美徳』になっていたものが今では『悪』みたいになり、投手の継投というものが根付いてきた高校野球において、7イニング制にすると一人の投手が投げ切ってしまうことが増えると思うんです。

肩肘を壊さないという、障害予防の観点でも良い意味で捉えられている投手の継投が、7イニング制になることでなくなる可能性があります。

一人の投手に投げさせてしまうから、結果的に選手を守ることにつながらなくなる」

現在の高校野球では、投手の1週間500球以内の投球数制限はあっても、1試合あたりの投球数制限がないことを考えれば、一人の投手が1試合を投げ切ってしまうことは十分に考えられ、結果的に「守る」ことにはならない可能性が出てくる。

実験的に7イニング制導入、イニング数を変えない策も

7イニング制導入は試合時間短縮へのアプローチでもあるだろうが、その点においても議論と検証を重ねる余地はあるように思える。

25年秋に開催された国民スポーツ大会(滋賀県)では実験的に7イニング制が導入された。平均試合時間は1時間40分ちょっとで時短にはつながったが、実際には2時間超の試合もあった。

野球という大きな枠で捉えた場合、たとえばプロ野球のように3時間以上の試合時間になることもあるのだが、こと高校野球では2時間前後で9イニング制の試合を終えることが少なくない。

その点からも、7イニング制導入は大きなメリットになるのか疑問であり、他の施策で試合時間短縮が実現する可能性も否定できない。

低反発バットの導入によって、守備側がアウトを取りやすくなり「試合時間が短くなった」という声も聞こえることから、7イニング制導入を考える前に新たな施策を考えてもいいのではないだろうか。

試合時間の長さは野球界全体としても問題視されている。

そのために、たとえばメジャーリーグや日本の社会人野球では、試合テンポの向上を目指してピッチクロック(投手の投球間隔を制限するルール)を導入して時間短縮に努めている。

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