格安スマホの限界を越える── mineoが音声フルMVNOと法人共創で500億円を狙う戦略転換

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

音声通話を扱うには、緊急通報(110番・119番)への対応など、データ通信にはない技術的なハードルもある。オプテージは固定電話サービス「eo光電話」のノウハウを持っているが、携帯電話では勝手が異なり、検討に時間がかかったという。

法人市場に活路を見いだす

オプテージが設備投資に踏み切るもう一つの理由は、個人向け市場の成熟だ。

大手キャリアがサブブランドやオンライン専用プランで低価格帯に参入し、格安スマホ事業者の価格優位性は薄れている。一方で、法人向けのIoT市場は急速に成長しており、センサーや監視カメラ、車載機器など、通信を組み込んだソリューションへの需要が高まっている。

取締役常務執行役員の松本和拓氏は「法人分野で大きく伸ばしていきたい。売り上げを倍近いスケールに持っていく」と目標を語った。現在の売上高280億円を500億円以上に引き上げる計算だ。

mineo
法人向け新ブランド「mineo BiZ」のコンセプト「その挑戦に、つながる力を。」(筆者撮影)

法人事業の柱として発表したのが「MVNO Operation Kit」である。通信事業への参入を検討する企業に対し、必要な機能をパッケージで提供するサービスだ。

総務省の統計によると、MVNO事業者数は2024年度末時点で約2000社にのぼり、2年間で約260社増えている。IoT機器の普及や、モバイル通信を活用した顧客接点の強化を狙い、これまで通信とは縁のなかった小売業や製造業、エンターテインメント企業などの参入意欲が高まっているためだ。

ただし、実際に参入するにはシステム投資や運用体制の構築、通信技術の専門知識など高いハードルがある。自前でゼロから構築しようとすれば、数千万円から数億円規模の投資が必要になる。

次ページ137万人の個人ユーザーへの影響
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事