自民勝利・中道勝利・勢力拮抗…2月8日投票の総選挙で考えられる3つのシナリオ、総選挙で試される日本社会の成熟度
これまでは、安保法制の「違憲部分を廃止する」との姿勢だったが、安保法制の定める存立危機事態となった場合、「自国防衛のための自衛権の行使は合憲」という立場に転換した。立憲民主党内では賛否両論があったが、最終的にはこの10年間の自民、公明両党の政権で維持されてきた姿勢を踏襲することになる。
この10年間の日本を取り巻く国際情勢を踏まえれば、ロシアがウクライナに侵攻し、北朝鮮がロシア側に参戦。中国の軍事的台頭も続いている。安保法制は、憲法違反という疑念をぬぐえない反面、日本による集団的自衛権の行使を一部容認することで中国などに対する抑止力を発揮してきたことは間違いない。
総選挙で試される日本社会の成熟度
そうした状況下での立憲民主党の方針転換は、まさに苦渋の選択であった。これを「現実的な対応」と支持するのか、「原則破りの妥協」と批判するのか。評価はさまざまだが、政権を担うためには柔軟な対応が欠かせないことは確かだ。
安保法制問題で見られるように、現実の政策は「集団的自衛権の行使による日米安保の強化」か「日米安保の廃止」か、といった「100かゼロ」の選択ではないことは明らかだ。中国などに対する抑止力を維持しつつ、日本国憲法の枠内で日米同盟の効果的な運用を進める。そうした中間的な対応が必要となっている。総選挙での政策論争でも「60対40」といった具体的な議論が求められている。
消費税をめぐっても、現行の10%(食料品は8%)の維持か全廃かといった極端な議論ではなく、財源を確保したうえで、物価高対策としての食料品の税率見直しなど具体的な議論が必要になっている。経済政策でも、アベノミクスの功罪を検証したうえで、金融緩和からの軌道修正を図っていくという微妙なかじ取りが必要だ。
総選挙の論争を報じるメディア側も、政策の具体的な内容を詳しく伝え、有権者に選択の材料を提供しなければならない。そうした議論を通じて、国民が最終的な選択を下す。この総選挙で試されているのは、まさに日本の民主主義の成熟度である。
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