温暖化を放置すると世界経済は23%減少する 「13℃」が最適気温のマジックナンバー
世界が温暖化すると、世界経済は冷え込むだろう。最近の新しい研究では、気候変動により気温が上昇すると、経済活動に大きな打撃があると予想されている。
「最良の予測であっても、2100年には世界経済全体は現在よりも23%縮小します」と、カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院のソロモン・シアン准教授は語る。
本研究では、50年以上に渡って166カ国の気温と経済活動の関係性を調査した。シアン准教授は次のように経済活動縮小の理由を説明する。「経済の観点からは各国が順調となる最適な気温帯のようなものが存在します。その気温帯よりも左か右になってしまうと、それは気温が低すぎるか高すぎるのです」。
マジックナンバーである13℃(華氏55度)は、現在の主要経済圏の平均気温にほぼ相当する。しかしながら、もし気候変動を阻止しなければ、100年後は劇的な変化が起きる。
この研究結果は、パリで開催される国連気候変動会議で世界の指導者の関心を呼ぶだろう。
「現在、丘の頂上にいるアメリカや中国などの国々は、没落し始め、さらに悪化になる」(シアン准教授)。ブラジルやアフリカの大半など、最適な気温帯を既に超えている国々では、経済状況は今よりさらに悪化するという。
本研究は、気温変化の影響のみに焦点を当てている。異常気象や海面上昇の頻度や分布など、気候変動にリンクする他の要因を考慮しているわけではない。その意味では、2100 年までに世界経済が23 パーセント低下することは、ほんの一部のことを反映しただけの数字だなのだ。
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