類似性はプレイヤーの顔ぶれだけではない。バブル特有の「錬金術」もまた、形を変えて再演されている。
2000年当時、通信機器大手ルーセントを筆頭に「ベンダーファイナンス」(販売金融)は有名だった。新興の通信会社に自ら資金を貸し付け、その金で自社の機器を買わせる。ルーセントは売り上げを計上し、株価をつり上げたが、バブル崩壊とともに貸付金は不良債権化し、同社は破滅した(2006年にフランスのアルカテルが事実上の救済合併を実施)。
現在、エヌビディアにも類似した構造が指摘されている。かつての「貸し付け」の代わりに、現在は「出資」と「GPUそのものを担保にした借り入れ」が活用されている。エヌビディアが出資する新興GPUクラウド会社が、GPUを担保に資金を調達し、それを使って再びエヌビディア製品を購入するという構図だ。
さらに、生成AIの総本山であるオープンAIとの間でも「資本と売り上げの循環」が行われている。エヌビディアはオープンAIに出資し、その資金が巡り巡ってオープンAIによるGPU代金として、エヌビディアの懐に戻っているからだ。
さらにここには、マイクロソフトも絡んでいる。マイクロソフトがオープンAIに巨額出資し、オープンAIはその資金でマイクロソフトのクラウド(Azure)を使う。そして、マイクロソフトは、そのインフラを維持するためにエヌビディアからGPUを買う――。
このように設備投資をめぐるマネーが三者の間を高速回転することで、エヌビディアの売り上げとオープンAIの企業価値は実需以上に膨張していきかねない。手法は以前より洗練されているが、ベンダー側が需要先の資本形成に関与し、売り上げを「先食い」している点ではルーセントのケースと変わらないと言える。
インフラの次は「稼ぐ力」が問われる
だが、AIバブルの行方を占ううえで、インフラの過熱以上に重要な視点がある。それは「インフラのうえで、誰が利益を出すか」という問題だ。



















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