日本ブランドのヒューマノイド、年内に工場・建設現場へ。ドーナッツロボティクスが中国OEMで量産を急ぎ、工場・建設現場への投入を目指す理由

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cinnamon 1の機体は、実は海外企業からOEM供給を受けている。小野CEOは囲み取材で「中国のメーカー」と明かした。具体的な社名は「先方の意向で日本ブランドとして出してほしいと言われている」として公表を控えた。

なぜOEMなのか。小野CEOは「大手企業は社内で自社製にするかどうかの議論が始まるが、うちは機体を早く調達してAIを育てることを優先した」と説明した。現時点では中国から完成品を仕入れ、自社開発のVLAやサイレントジェスチャーコントロールを搭載している状態だ。

スライド
「日本ブランド ヒューマノイドの価値」を説明するスライド(筆者撮影)

一方で、国産化に向けたロードマップも示された。1年目でハードウェアの重要部分の変更要否を検討し、2年目でソフトウェアの制御技術を自社開発。将来的には腕や足などのパーツを調達して国内で最終組み立てを行う体制を目指すという。海外から部品を調達し国内で組み立てるPCメーカーと同様のアプローチだ。

小野CEOは「日本で30年間、製造業を中国に出してきた。今さらゼロから国内で作れるかというと難しい」と認めつつ、「重要なのはAIの部分。機体を早く手に入れて、日本の環境でAIを育てることに価値がある」と述べた。

米中に次ぐ「第三極」、2027年に米国上場目指す

小野CEOは米中のヒューマノイド開発競争を意識した発言も行った。「テスラ、Figure、1Xなどアメリカ勢、そして中国勢も素晴らしいロボットを開発している。ただ、米中が争っている状況では、相手国のロボットを安全保障上の理由から導入できない国も多い」と指摘。「戦争をしない日本のロボットは、他国から見れば安心して導入できる」と述べ、日本発のヒューマノイドを「第三極」として世界市場に展開する意欲を示した。

機体は中国OEMだが、GPUはNVIDIA製、カメラはソニー製を採用しており、主要部品は西側企業製で構成されている。政府機関や空港警備など高セキュリティが求められる案件については、X線検査でスパイチップの有無を確認するなど追加対応を行う準備があるという。

小野CEOとcinnamon 1
発表会後のフォトセッション。小野CEOとcinnamon 1(筆者撮影)

囲み取材では資金調達についても語った。「中国からは数十億円規模のオファーがあるが断っている。27年頃にアメリカでの上場を目指している」という。VCとは毎日3社程度のミーティングを行っており、調達額も大型化しているとのことだ。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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